ADHDをはじめとした発達障害の方に限らず、障害をもっている方の仕事選びは非常に大切です。

自分にあった職業を見つけられるかどうかで、就職後も継続して働けるかどうかが変わってきます。

しかし、どの仕事がADHDや発達障害者の就職に向いてるのかを自分一人で判断するには難しいでしょう。

さらに、発達障害と一口に言っても、実際にはそれぞれの症状によって症状や特徴も異なるため、適職を見つけることは本当に難しいのです。

そこで、このページでは、ADHDをはじめとした発達障害の方に向いてる仕事について、障害の特徴や症状の分類と併せて一緒に見ていきたいと思います。

また発達障害の方でも最適な就職先や仕事が見つかるようサポートしてくれる就労移行支援制度のことも触れています。

就労移行支援は発達障害者が就職するにあたって必要なサポートや各種講座が提供されているので、この機会に知って頂けると幸いです。

■ADHDをはじめとした発達障害の分類と特徴

発達障害とは、体や心の発達が遅れているということではなく、認知や言語、行動、学習能力の一部など、ある特定の領域に困難さが見られる障害の総称。

知的水準が全般的に低い知的障害(精神遅滞)とは異なり、得意な面と不得意な面をもつ、発達がアンバランスな状態を意味します。

発達障害は次の3つの種類に大別されますが、それぞれが単独で現れることは少なく、ADHD(注意欠陥・多動性障害)とASD(自閉症スペクトラム障害)が併存したり、ADHDとLDが併存する割合が高いことがわかっています。

▽ADHD(注意欠陥・多動性障害)

発達障害におけるADHD(注意欠陥・多動性障害)の特徴として、 「不注意」「多動性」「衝動性」の3つの行動特性が見られます。

不注意優勢型

仕事の段取りやプランニングをする力やワーキングメモリー(情報を一時的に記憶する能力)が弱いため、大人になっても忘れ物や失くし物が多くなります。

また、集中力が続かないので、やりかけの仕事を放り出してしまうこともADHDの方によく見られます。

多動性・衝動性優勢型

自分の行動を抑制することが難しいため、仕事中であっても思いついたらすぐ実行せずにはいられなくなります。

また、些細なことですぐにカッとなりやすく、行列に並んで待つということもこちらのADHD発達障害の方は苦手なことが多く、「就職できない」と考えてしまう方もいらっしゃるので、就職の際によく考慮します。

▽PDD(広汎性発達障害)・ASD(自閉症スペクトラム障害)

発達障害におけるPDD(広汎性発達障害)は、主に言語行動の全般において社会生活に影響を及ぼすとされる障害のこと。

社会性とコミュニケーションに問題が生じる障害で、知的な障害が伴うものとそうでないものが含まれます。

また、ASD(自閉症スペクトラム障害)は、社会的なコミュニケーションや対人関係が苦手で上手くやりとりができない、興味や活動が偏り強いこだわりをもつ、などといった特徴を有する発達障害という側面もあります。

これら2つの発達障害は同じものを指していますが、その違いは判断基準で、2013年に公表された 「DSM-5」という診断基準によってPDDはASDという名称に統合されています。

発達障害のPDDやASDの特徴として以下のようなものが挙げられます。

・社会生活の中で一度決めた事や、感じたことからの融通が利かない
・立場を気にしない言動や言葉を選べない
・雰囲気や人の顔色を読み取れない
・見たまま、感じたままに発言する
・興味や関心が極端である
・変化を嫌い、法則性を好む

▽LD(学習障害)

LD(学習障害)は、主に文字や文章の「読み」、「書き」、「計算」、「聞く」、「話す」の特定のものの習得と使用が著しい困難を示す、学習全般に問題がある障害です。

LDの場合は、聞き間違いや、見る・聞くことで得られる情報をうまく伝えられない、文章を読んだり文字を書くこと、計算などが特に困難があります。

これは「認知」に問題があるためで、似ている形の文字を間違えて読んだり、書いた文字が鏡文字になったり、文字を一文字一文字拾うように読みます。

▽ADHD(注意欠陥・多動性障害)の仕事上の特性

発達障害の中でも、ADHDの方がもつ特徴のうち「じっとしていられない」という特徴は「様々なものに興味を引かれ、変化に敏感である」と考えることができます。

また、「思いついたらすぐに実行してしまう」ということは「行動力がある」とも解釈できます。

よって、ADHDの方は高い行動力や推進力を持っているので、就職の際はこれらのメリットを生かせる仕事を見つけることが重要です。

▽PDD(広汎性発達障害)・ASD(自閉症スペクトラム障害)の仕事上の特性

発達障害の中でもADHD以外のPDDやASDがもつ「興味や関心が極端である」という特徴は、「特定のことに徹底してこだわる」と言い換えることができ、この特徴は就職においても長所としてなり得ます。

自分が興味・関心のある分野に対して、並外れた集中力を発揮し、自ずからどんどん知識を吸収していくので、適職を見つけることによっては大きな成果を上げることが可能です。

▽LD(学習障害)の仕事上の特性

発達障害の中でもLDの方は能力の偏りが特に目立ちます。

仕事において、「読み」、「書き」、「計算」、「聞く」、「話す」といったことができないと、なかなか企業に就職することは困難でしょう。

ただ、読み書きや計算など自分の苦手な作業の基本的なところをアプリやツール、または周囲の配慮・サポートで補うことで対策できれば、どのような職種にも挑戦し成功することも可能です。

自分のペースで自分の苦手分野を工夫し克服していき、そのうえでやりたい仕事を選んでいきましょう。

■就職・転職で自分に合った就職を成功する方法

発達障害の方が就職や転職・再就職をする場合、就職や職場定着のサービスを利用することで、仕事・求人探し、就職、転職がスムーズに進められるのでおすすめです。

▽職場への定着率が高い就労移行支援を利用する

発達障害者が就職サポートを受ける方法はいくつかありますが、就労移行支援制度を利用するのが一番です。

就労移行支援は障害者総合支援法に基づく福祉サービスのひとつ。

就労移行支援では、一般企業への就職を目指す、障害や難病のある休職中、離職中の方が利用可能です。

発達障害の方を就職・定着支援の対象としている就労移行支援事業所は全国にたくさんあります。

多くの方が無料で利用できており(前年の世帯所得額で決定)、原則2年間利用できます。

特に発達障害の方に特化した就労移行支援事業所もあるので、就労移行支援を利用した就職は発達障害の方におすすめです。

▽クローズよりオープンで就活することがポイント

発達障害ということはオープンにすると障害を理由に企業は雇用を躊躇してしまうのではないか、または正社員や給料など雇用条件の良い一般枠で入社したいので、病気のことを隠して就職する人がいます。

このことを「クローズ就労」と呼ばれており、発達障害を企業に伝えずに働くことで、就職を失敗してしまう事例があります。

なぜクローズ就労だと就職に失敗してしまうリスクが高いかと言うと、職場の同僚や上司は自分が発達障害ということを知らないため、「言動や行動に違和感を感じる」「簡単な仕事もできない」「怠けている」など思われてしまうことがあります。

この結果、職場の居場所が無くなったり、評価が下がったり、あるいは仕事がストレスとなってうつ病など他の精神障害を発症してしまったりして退職してしまうのです。

就職する前に自分が発達障害であることをオープンにして企業に伝えることで、一般枠のように選択肢や雇用条件は劣ってしまうかもしれませんが、職場からの理解や配慮があるおかけで、長く働くことが可能となります。

就労移行支援などを利用して自分の症状に合った職種や仕事を見つけ、内定をもらえるよう資格取得や訓練を積むことで長期的なキャリア形成を実現することが可能です。

■就職・転職をお考えの方へ

今回はADHDをはじめとした発達障害をお持ちの方が就職を成功させるために必要な事柄を紹介してきました。

就労移行支援事業所には60歳までの幅広い年齢の方やADHDをはじめとした発達障害以外の様々な障害を持つ人がたくさんいらっしゃいます。

多くの方が就労移行支援事業所のスタッフと相談や支援を受けながら、課題や目標を克服し就職や仕事探しを実現しています。

ADHDを持つ方やそのご家族で就職や就労移行支援に興味がある方はお気軽に一度お問い合わせ・相談をしてみてください。

--------------------------------------------------------------------------------------

より豊かに、当たり前に人生を楽しめるように。
利用者様の一人ひとりの成長をサポートします。
川越市就労移行支援、川越市就労継続支援A型、計画相談支援。