終戦の日ということで 

どなたの詩だったか忘れましたが 今日見つけたので

 

 

「わたしが一番きれいだったとき 」   

私が一番きれいだったとき 街々はがらがら崩れていって 

とんでもないところから青空なんかが見えたりした 

わたしが一番きれいだったとき まわりの人達がたくさん死んだ 

工場で 海で 名もない島で わたしはおしゃれのきっかけを落としてしまった 

わたしが一番きれいだったとき だれもやさしい贈り物を捧げてはくれなかった 

男たちは挙手の礼しか知らなくて きれいな眼差しだけを残し皆発っていった 

わたしが一番きれいだったとき わたしの頭はからっぽで 

わたしの心はかたくなで手足ばかりが栗色に光った 

わたしが一番きれいだったとき わたしの国は戦争で負けた 

そんな馬鹿なことってあるものか ブラウスの腕をまくり卑屈な街をのし歩いた 

わたしが一番きれいだったとき ラジオからはジャズが溢れた 

禁煙を破ったときのようにくらくらしながら わたしは異国の甘い音楽をむさぼった 

わたしが一番きれいだったとき わたしはとってもふしあわせ 

わたしはとってもとんちんかん わたしはめっぽうさびしかった 

だから決めた できれば長生きすることに 

年とってから凄く美しい絵を描いた 

フランスのルオー爺さんのようにね  

 

 

 

母の世代はちょうどこの時代。おしゃれしたくてもできなかったね。

「お前はよく働くから、帰ってきたらお嫁にしてやるよ。」と言った人がいたようですが、帰って来なかったんだね。

娘が幼稚園くらいの頃に、「ばあちゃんはじいちゃんのどこが好きだったの?」と聞いたら、

「好きも嫌いもあらせんわ。」と言われてびっくりしたとwww

未だに時々その話をして笑うけど、悲しい話でもあるね。

皆が平和に暮らせる世界になりますように。