藤井聡太さんが失冠してしまった。
八冠を維持し続けるのはそれはそれは困難なことであるのは
将棋をよく見ている人なら誰もが承知の上であっても、
本人の心中を無視したうえで、
ファンの勝手な願望のみで予見するとすれば、
まだむこう何年かの間は安泰だろう、
などと読んでいたのではないだろうか。
同じ相手に短期間の間に負け越すなど、
彼が失冠する姿など、全く想像もつかなかったから。
最終局まで持ち込めば、きっと。
過去にここ一番の重要局で取りこぼしのなかった彼ならば
必ずや、と。
実際、AI判定による形成判断でも時間的にも有利に立って
終盤を迎えていたから、このまま勝利を手にするはずだと
多くのファンはその瞬間に待機していただろう。
そんな山あり谷ありだったから、余計に痛手を被っている。
私などは今日はほとんど半分死んでいるかのようだった。
主催の不二家さんのお菓子を、応援の証しとしてスーパーへ行くたびに買い足していた習慣ともこれでお別れだ。
そっと告白する。不二家さんのお菓子が特別おいしいと思っていたわけでもないのに、他メーカーから優先して不二家さんを選んでいたのだ。我ながら健気なファンだなあ。
しかしまあこれで「不二家しばり」からスパッと解放されたわけだ。
八冠をとるまでの重圧は、それが達成されたのち、
今度はタイトルすべてを独占しているという別の重圧へと
変化して彼にのしかかっていたのではなかろうか。
昨日は本当に残念で悔しく悲しい結果だったけれど、
肩の荷をほんの少しでもおろせたのかもな?と思いたい。
私が「不二家しばり」から解き放たれたようにね。
藤井くんには出来る限りのびやかに生きて欲しいのだ。
末端のファンはいつだってあなたの幸せを本気で願っているのです。