・青葉賞1着馬は21頭中7頭複勝圏(重賞格上げ後参照)
前走1番人気なら12頭中5頭複勝圏。本番と同距離の重賞なので心身疲労レベルは高い。
前走2番人気以下1着で当日3着以内になった2頭(11ウインバリアシオン、04ハイアーゲーム)はともに2走前4着以下で、1頭は3走前1番人気4着、もう1頭は3走前500万下と、当然直近の心身疲労が懸念されるだけに蓄積ストレスに注意。
前走1番人気1着だった場合でも2走前に2200m以上のOPで連対していた2頭は凡走していて、長距離OPで連続好走というのはカテゴリーストレスを増大させるもので好ましくはないだろう。

また3着以内になった7頭中6頭が前走で7番手以内の競馬をしている。東京2400mという単調な条件だけに活性化されていることが望ましいし、追込ストレスなどは避けたいが、残る1頭11ウインバリアシオンは前走4角13番手。これは当日不良馬場の追込競馬という特殊な環境になったせいだろう。

タイプ的には純粋なL系は分が悪い。延長の広いコースという青葉賞の条件がタイプに嵌まった馬は同条件で相手強化という文脈ではパフォーマンスを落とす可能性が高いということだろう。


・青葉賞4着以下は9頭中2頭複勝圏
2桁着順か人気薄激走かと両極端。前走3番人気以内なら5頭中2頭複勝圏と、心身疲労から解放されている形なら決して悪くないステップになる。

3着以内になった2頭の2走前は毎日杯1着と皐月賞3着。このあたりリズムとストレスのバランスがポイントになるが、この2頭はブラックタイド産駒とアンバーシャダイ産駒でS要素ないしC要素が強い。延長の東京2400mという単調すぎる条件では嵌まらなかったタフなタイプが、ストレスが薄れての相手強化になる本番で巻き返したことになる。L要素が強い青葉賞1着馬の相性が悪いことと丸っきり正反対の性質を持つデータ。
他のパターンの好走可能性も十分あるだろうが、トライアル凡走だと既に賞金がある馬でないと出走すら厳しくなるので、そうなるとある程度の実績馬→鮮度は高くない馬が多くなるということになるが…


・京都新聞杯連対馬は22頭中5頭複勝圏(2002年以降参照)
当日人気を下回った馬が4頭しかいない。その4頭中3頭が当日4角12番手以降で、延長の追込が展開やタイプに合わなかったケースになる。もう1頭は延長スローで凡走のS系。延長が合わなさそうな文脈に注意したい。スローペースなら量が豊富なタイプが無難。
また3着以内になったのは全て前走1着馬で、前走1着馬に限れば13頭中5頭複勝圏になる。別路線・平坦外回り・本番とは別距離ということで疲労レベルは低め。
さらに2走前も1着だった馬に絞れば7頭中4頭複勝圏とかなりの好走率。2着馬がもうひとつなことの裏返し的に、勢いに溢れる連勝馬の殴り込みが面白い。
ただ4着以下になった3頭の2走前は平坦で広いコースの2300m以上で、2走続けて同質で単調な条件を走ってきた馬は活性化面でイマイチか。当日9番人気5着と善戦はした11クレスコグランドは2走前京都2400mだが重馬場だったので、少なくともタフさや忙しさを含む記憶を重ねておきたい。この3頭は全て当日4角12番手なので、やっぱり活性化に欠けていたか、というのはある。

そして唯一連勝中ではない形で3着以内になった04ハーツクライは2走前が皐月賞5番人気14着。さすがにGⅠ経由で好走続きだとストレスが上回る恐れが強いので、リズムとストレスのバランスからは妥当なところだろう。いちおう2走前にタフで忙しい記憶を重ねているということになる。

タイプ的にはスローペースなら量系が好ましいとは書いたが、別路線の優位性を活かしきるなら当日はタフな流れになって心身疲労の影響が出やすいレース質になった方が相対的に有利だとは言えるか。


・プリンシパルS連対馬は19頭中1頭複勝圏(2003年以降参照)
こちらも別路線の前哨戦で本番とは別距離だが、前走1着馬は12頭出走して複勝圏ゼロで、唯一3着以内になったのが前走1番人気2着と力を出し切れずストレスが少なかった馬。
東京のOP特別という緩さが、ダービーと同質な属性を帯びてしまっていてカテゴリーストレスを高くしているということか。当日5着以内になった3頭中2頭が当日重馬場か不良馬場で、前哨戦と本番との関係性はより異質であった方がよいという示唆にも伺える。
そして3着以内になった09アントニオバローズの2走前は皐月賞12番人気9着。GⅠ経由なので前走凡走が好ましかったわけだが、京都新聞杯組同様2走前以前には忙しい経験をしていた方がベターということでもあるか。


・NHKマイルC連対馬は12頭中3頭複勝圏
前走1番人気で当日2番人気以内なら3頭中2頭複勝圏。別路線で距離も短いとあって比較的ストレス少なく消化した実力馬には有利なステップ。4着以下になった01クロフネは当日重馬場。さすがに心身疲労がないわけではないので、当日あまりにタフな競馬になって体力の要求量が大きくなりすぎると厳しいものがある。
また前走4角12番手以降が3頭全て凡走で、大幅延長だけに後方すぎた馬は追込ストレスが懸念される。

2走前を見てみると3着以内になった3頭中2頭が毎日杯1番人気1着で、残る1頭は皐月賞2番人気6着。このあたりは他の別路線組に近い傾向でリズムとストレスのバランスに注目だが、ずっとマイル路線だった馬よりはやはり中距離タイプがベターか。


・NHKマイルC3着以下は36頭中2頭複勝圏
3着以内になった2頭は前走3番人気以内で人気を下回っていた。1頭(02タニノギムレット)は当日1番人気の実力馬で、ストレスが少ない別路線組としてかなり有利な立場ではあった。
2頭は当日4角先頭か12番手かの極端な脚質なので、巻き返しにくさを象徴しているとは言えるが、当日人気薄だった07アサクサキングスは逃げられなかった逃げ馬のショック付きで、やはり期待値ではショック形ということになろう。

また2頭の2走前はともに皐月賞で人気を下回る凡走。心身疲労の問題もあるがクラシックGⅠでもある程度人気になる実力馬だったということで、マイル路線を歩んでいた馬がいきなりの大幅延長で巻き返すというのも少し考えづらいが。