コロナとの闘いは長期戦に

4月8日(水) 

  新型コロナウィルスの感染は世界全体に拡大中で、とりわけ米国では19万人と飛びぬけて最多の感染者数が発生し、増加の勢いはまだ高まっています。欧米に本格拡散するまでは、中国周辺地域の局地的感染現象との見方が大勢で、春になって気温が上がれば自然終息すると今ほど深刻視されていませんでした。ところが今や米国での収束時期も見通せず、日本でも欧米のような本格拡大の瀬戸際と言われ、4月から5月が先進国地域の正念場たる感染のピークとしても、想定よりもかなり長期に亘って経済活動は極度の収縮状態が続くことになりそうです。

 そして米国で特に懸念されるのが医療崩壊で、日本の水準と比べ米国での社会保障インフラの脆弱さと生活格差の大きさが感染拡大スピードに拍車をかけていると言われ、ここへの政策対応が迅速になされないままだと経済構造の立て直しにも時間を要することになります。それに加えて米国の高い雇用流動性がこうした経済危機時には失業者を短期的に大量発生させる構造的要因となり、既に失業保険申請件数はコロナショック前と比べ10数倍に激増していて、産業界が事業規模を縮めてしまうと感染収束後の需要急増に供給サイドが応じきれず、経済回復スピードを緩慢にしてしまう可能性があります。

 米国経済のリバウンドが滞れば、世界経済全体の成長回復の遅れにもつながりますから、今回のコロナ騒動終息後におけるマーケット全体の回復も、平常時に向け急速に反転する期待と同時に、やや長期戦になる可能性も併せ持っておくべきでしょう。無論その場合は、引き続き辛抱強くコツコツと安い水準で積立投資を通じて仕込み続けることによって、将来の果実がより大きく育つ機会が増えたと考えて、実体経済とマーケットの自律回復機能を待ちながら長期投資を継続して進んでまいりましょう。