近ごろ「借金返しすぎていませんか?」といった広告を見る機会が多いです。利息制限法と出資法の各上限利息の差による「グレーゾーン金利」の返還を呼びかける法律事務所などの広告です。あまり知られてはいませんが、実は「過払い金」の返還請求者には、もれなく与信情報に「コード71」と呼ばれる記号が付与され、通常返済している人と識別されるようになりました。これをめぐり貸金業界と弁護士、金融庁が大モメしています。
「以下引用」
記事本文の続き 金融庁は2007年12月、消費者金融業界やクレジット・信販業界の業務指針を定めた「貸金業法」を公布、時期を4段階に分けての施行を定めた。今年6月には第3段階として、銀行やクレジットカード、信販会社などが加盟する個人信用情報機関(CIC)と、消費者金融などの貸金業者などで構成される日本個人情報機構(JIC)の与信情報がオンラインで結ばれ、両者は金融庁に「指定業者」の許可を申請することになる。
金融庁はここまでに、弁護士界からの要請に応えるカタチで、消費者金融などの貸金業者に過払い金請求を行った人の個人信用情報にJI Cが付与してきた「コード71」の撤廃を打ち出したが、規制改革会議や有識者会議で相次いで異論が噴出。その取り扱いが宙に浮いてしまった。
そもそも貸金業界は、過払い金請求者に対し、なぜ「コード71」を付与してきたのか。業界関係者が内情を明かす。
「貸金業者は『コード71』対象者の与信に慎重にならざるを得ません。過払い金請求を起こした人は多重債務者の比率が極めて高く、新たに法定内利息で貸し付けても焦げ付き、再び多重債務に陥る可能性が非常に高いからです。なぜなら当初の契約を履行しなくても、借金がチャラになるというような認識が生まれてしまうからです」
一方、このタイミングで撤廃を求める弁護士側の言い分はこうです。
「確かに法にのっとった債務整理の一貫で過払い金の返還請求を行い、借金をすべて返し終えた人を『コード71』によって特別視しなければならない理由はありません。ただし、実際に貸す側が“多重債務者予備軍”と明言する以上、『コード71』の白紙化があくまで現実離れした原則論の域はでないでしょう」
とはいえ、こちらも『コード71』によって多重債務者の発生が抑制され、債務整理を業務の中心に活動する弁護士の仕事が減ることを懸念する弁護士側の本音が見え隠れするのも事実です。いずれにしても、消費者保護と業界健全化を目的にした「貸金業法」の趣旨にそった議論が期待されることは言うまでもありません。
3年前に「コード71」の付与を認めた金融庁は「傾向として(過払い金請求者の中に)多重債務者が多いかもしれませんが、現在では過去に完済したうえで請求している人も一定数はいます。『コード71』が、正確かつ有用に個人の与信情報を反映しているものなのか、JICの指定申請時に慎重に審査致します」としています。
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