ロート製薬の細胞で視力障害【再生医療有害事象】 | 再生医療なんでもブログ

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ルネスクリニックでロート製薬の細胞を用いて再生医療を受けた方が視力障害を引き起こした件について再生医療等委員会の議事録についての要約を記載します。

 

1. 疾病報告の概要

  • 医療法人美健会 ルネスクリニック日本橋において、女性更年期障害及び卵巣機能低下に伴う諸症状改善を目的とした自己脂肪由来間葉系幹細胞治療を受けた患者において、疾病等報告書が提出された。
  • 疾病発症日は2023年11月29日であり、症状は両眼の視力障害であった。
  • 患者は軽快しており、後遺症は残っていない。

2. 質疑応答

  • 井上委員(委員長)は、DMSOが原因である可能性を指摘し、ロート製薬株式会社に情報提供を求めた。
  • 平野院長(ルネスクリニック日本橋)は、今後同様の症状が出た場合は専門医に相談する体制を整備すると回答した。
  • 内田委員は、患者への情報提供を徹底する必要があると指摘した。
  • 今井委員は、DMSOの危険性を指摘し、細胞培養加工施設や医師への注意喚起を求めた。

3. 委員会の意見

  • 今回の有害事象の原因は断定できないものの、DMSOである可能性が高い。
  • DMSOの危険性を十分に認識したうえで、治療にあたる必要がある。
  • 細胞培養加工施設、再生医療等を提供する医師、再生医療等を受ける患者間で情報を共有し、注意喚起に努める必要がある。

4. 今後の対応

  • ロート製薬株式会社は、今回の有害事象の詳細について冊子等を作成するなどして、出荷先のクリニック、病院に情報を提供する。
  • ルネスクリニック日本橋は、今回の件を今後の申請に反映し、患者への情報提供を徹底する。
  • 厚生労働省には、今回の件について報告する。
  • 今後、新規の提供計画では起こりうる可能性として今回の事象を患者同意書に記載する。