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娘とおててつないで保育園の帰り道。 歌が好きな彼女は最近は毎日、歩きながら、歌って♪歌おう♪と誘ってくる。 キーラーキーラーひーかーるー♪ おーそーらーのーほーしーよー♪ 少し暮れかかった西の空を見ながら、時々顔を見合わせながら歌い、ゆっくり家路を歩くこの瞬間 「あぁ、いまのこの感覚、とっても豊かだなぁ✨」と胸がふるふるする。 ふと祖母が何度も言っていたセリフを思い出した。 「さいちゃん、小さい頃おばあちゃんと2人で手つないで歌いながらお地蔵さんまで歩いたねぇ♪」 このセリフは私が実家で祖母と同居していた学生の頃から 上京して20代になっても、結婚して30代になっても、私に子供ができても 祖母が90歳になっても、亡くなる少し前までずっと わたしと会うたびに嬉しそうに何度も何度も、何度もわたしの手を取りながら、 時には涙を浮かべながら言ってくれたセリフだった。 わたしにとっても思い出だし覚えててくれて嬉しかったけれど、 果たしてそんなに毎回何度も言うほど一番心に残っているのか もっとどこかに旅行したとか、お祭りとか、大きな出来事よりも覚えていることなんだろうかと 当時は疑問に思っていたけれど 今、ようやくおばあちゃんが感じていた豊かさはこれだったのかなと そんな思いで振り返るようになった。 こんなにも今ここの感覚を全身で感じながら 目の前の鮮やかさを味わいながら歩いていたんだ。 わたしももしかしたら 歳をとって思い出すのは今のこの瞬間かもしれない。 田舎にいても、街中にいても。いつも豊かさはここにある。 ここに「いる」だけで感じられる。

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