サイババを語る上で、どうしても避けて通れないのは、彼が起こし続けてきた 《奇跡》 についてです。
それは 「真実なのか?インチキなのか?」
私は前回の記事の最後に 「次は、サイババの信者に 『マインドコントロールという問題は存在するのか?』 ということについて検証します」
と予告しておきましたが、もしマインドコントロールが存在するとすれば、そこには必ず何らかの形で、サイババが起こして見せる 《奇跡》 が関わっているはずなので、今回はその 《奇跡》 について検証してみることにします。
まずは、サイババが物質化して人々に与えるものとしてもっとも有名なビブーティと呼ばれる神i聖灰についてです。
一口にビブーティと言っても、その種類は数多く、色や形状、味や香り、それをもらたことによって本人に起こる出来事など、厳密にいえば、無数に存在します。
しかしそれは、大きく分ければ、三種類に分類できます。
一つは、サイババがその場で物質化して、人々に分け与えるものです。
もう一つは、世界中の帰依者の家やサイセンターなどにあるサイババの写真や、神像などから湧き出てくるものです。
そしてもう一つは、アシュラムでお土産物として売られているものです。
(これは、アシュラムを訪れた帰依者なら必ずまとめ買いしていくような非常に人気の高いものですが、 これによって、アシュラムが金銭的に潤っているわけではありません。
なぜそう断言できるかというと、それはその値段にあります。
それがいくらで販売されているかというと、100グラムのビニールパック詰めが一袋 ⦅私が頻繁に訪れていた2005年頃の話ですが⦆ 10ルピーで、日本円にして30円以下なのです。
これは、いくらインドといえども、利益が出るどころか、売れれば売れるほどに赤字になっていく値段です)
サイババのアシュラムには、巨大な神殿やホール、宿泊施設やショッピングセンターや食堂が併設されていますが、そのすべてにおいて徹底されているのは 『できる限り安く、利益も出さないようにする』 ということです。
それがなぜかというと、サイババの教えが 「神は与えるだけであって、見返りとして人々から受け取るものは何もない」 というものだからです。
それがいかに徹底しているかは、普通に運営していれば、その経費が何十億、何百億円になるのかわからないようなインド全体で最も近代的な医療設備と医療水準を持つ病院の治療費や入院費や手術費用がすべて (カースト、肌の色、宗教、宗派、国籍、経済状態に関係なく) 無料で提供されていることが物語っています。
(この病院がどのようなものかは、ネットで簡単に調べることができます。アクセスの仕方は、SSOJで検索し 『SSOJについて』 という項目が表示されたら、それをクリックし 『サイババの活動』の5番目の項目『医療奉仕』 をクリックすれば、その病院の写真や概要が説明されたページにたどり着けます)
それを可能にしているのは、その医療を、人生をサイババに捧げた医師やスタッフ、休暇などを利用して世界中から集まってくる医師やスタッフたちがサイババに捧げる奉仕として、完全なボランティアで行っているからです。
しかし、たとえ人件費がタダで賄えたとしても、大宮殿かと見まごうような威容を誇る病院の建設費、医療設備、医薬品代など、膨大な経費が掛かることに変わりはなく、この金銭がどのようにして 「調達されているのか?」 という疑問はあらゆる人の抱くことだと思います。
それはある意味、ビブーティやアムリタの物質化といった奇跡よりも、もっと信じがたい奇跡なのですが、それについてはまた別の機会に書くとして、今回は、世界中で起こっていると言われている、サイババの写真や神像、といったものからビブーティやアムリタが湧き出るといった現象についての、情報を紹介していくことにします。
その真偽の判断を皆様に委ねるためです。
もしこうした現象が、サイババを信じている人々の生活圏だけで起こっているのだとしたら、それは 「信者たちのでっち上げだ」 という反論は十分に成立することになります。
しかし、実を言うと必ずしも、そうではないのです。
実を言うと、そうした現象は、サイババを信じている人の身にだけ起こっているのではなく 「サイババはペテン師だ」「この科学の時代に、そんな現象が起こるはずがないじゃないか!」 と激しくバッシングしていた人たちの身に、ある日突然、サイババが言う 『(奇跡は)自分が何者であるかを人々に伝えるための名詞である』 としてしばしば起こっているのです。
これから紹介するのは、私が2000年の5月に、初めてサイババのアシュラムを訪ねた時、知り合った方から聞いた話です。
その方は、都内で日本料理店を経営していて、趣味として気功をやっている方で、私同様インドを訪れるのはその時が初めてで、それまでサイババの団体にも一切かかわっていないということでした。
その人は、裸眼の視力が0.1以下の私とは違い、目もよく、オーラ的なものも見えるらしく、15メートルほど離れた場所からサイババが指輪を取り出すのを見た後で 「サイババはマジシャンのように指輪を手の中から取り出しているのではなく、指先の空中に出現した指輪を指でつまみ取っていた」 と証言していました。
「サイババが、指輪を物質化する直前には、その指先の空間が陽炎のように揺らいで、そこに指輪が出現した」 と。
しかし、私が伝えようとしている話の核心はそこではなく、その方が 、 「なぜサイババに会いに来る気になったのか?」 ということについてです。
私がそのことについて尋ねると、その方はこう話してくださいました。
以下はその要約です。
その方は何年も前から、かなり熱心に気功を学んでいました。
そして、その先生は女性の方で、つい最近まで 「サイババはペテン師だ!」 と、ことあるごとにバッシングしていたとのことでした。
そんなある日、その先生がいつものように気功を教えていると、生徒の女の子の手から、突然灰のようなものが出始めたというのです。
その先生と、周りにいた生徒たちが 「これは何だろう?」 と首をかしげていたところ、偶然その場にサイババの信者が居合せて 「これは、どうもビブーティのようです」 という話になり、その話の流れの中で 「ビブーティとは何なの?」 となり、それが 「サイババが物質化して帰依者に与える神聖灰であり、それは多くの場合、帰依者たちの病気を治す力を持っている」 という話になっていったというのです。
もとよりサイババのことなど信じてはいなかった先生でしたが、自分の生徒の少女の指から灰が出てくるという出来事自体が今まで見たことのない不思議な現象だったので、物は試しという気になり、その場にいた信者の方から、ビブーティを分けてもらい、病気で苦しんでいた(病名は定かでありませんが、確か腎臓結石だったように記憶しています)自分の子供に飲ませてみたところ、数日後に、その子供が着ていたシャツのポケットに、誰もそんなものを入れた覚えはないのに、左右に二個づつ、小さな小石のようなものが入っているのは見つかり、それが見つかった日以降、その子供の病気も治っていたというのです。
そして、その石を捨ててしまった後で、よくよく考えてみたら、その時ポケットに入っていた軽石状の物質は、腎臓結石の石とよく似ていたと。
だからといって、その先生がサイババを信じる気になったわけではなかったようですが、その後も、その先生の身の回りでは、ビブーティにまつわる不思議な出来事がいろいろと起こり続ることになり、今では、神の化身であるという点はともかくとしても、少なくとも、サイババが奇跡の力を持っているという点についてだけは信じるようになったというのです。
そして、それを見ていたその人も、サイババに興味を持ち、一度実物を自分の目で見てみたいと思うようになったのだと。
次に紹介するのは 『理性の揺らぎ』 に紹介されている、マレーシアのジャガディーサンという方の話です。
ジャガディーサンさんは、サイババの側近として、長年、全世界の青年部を統括する要職についておられた方で、我々にとってはかなり有名な方です。
私自身は、英語が全くしゃべれないためお話したことはありませんが、インドや日本で何度かお会いしたことはあります。、
この本が書かれた時は、マレーシア通産省の局長だったとのことです。
中目黒にあるSSOJ東京センターにも公的な仕事で来日された時に都合をつけて立ち寄って講演くださることがあり、何年か前にいらっしゃったときは、東京大学で講演した帰りとのことでした。
この方の告白によると、この方は元々はサイババの 『大大大反対者だった』 とのことです。
ジャガさんの友人に、サイババを信じている人がいて、家にその写真を飾っていたので、家を訪れるたびにどうしてもそれが許せなくなり、いつも反対の論陣を張っていたのだと。
後に通産省の局長を務めることになるほどの人なので、ディベートには自信があったのだと思います。
そんなある日、とうにその友人たちと2~3時間も激論を交わしてしまい、それでもらちが明かなかったので、その友人たちが席を外した後で、業を煮やして、部屋に飾られていたチリチリ頭の神様とやらの写真に向かってこう言ってやったのだそうです。
「サイババさん。もしあんたが本当に神様だったら、俺にも分るような証拠を見せてくれ!」 と。
すると何が起こったかというと、目の前に飾られていた写真が、みるみるビブーティに覆われていったのだと言うのです。
話はここで終わらず、面白いのはここから先です。
席をはずしていた友人たちが帰ってきて、当然その写真を見ます。
その時彼らが、ジャガさんに言った言葉が面白いのです。
彼らがその時何と言ったかというと
血相を変えて 「なんというイタズラをするんだ」 と言ったのです。
日ごろからサイババを信じ、サイババの写真からビブーティが湧き出てくるというような現象は、世界中で報告されているんだ。これは絶対インチキなんかではなく、実際に起こっている現象なんだ」 とジャガさんに力説していた人たちが、その現象を実際に見てイタズラだと憤慨し、それを今まで 「インチキだ。あり得ない」 と否定していたジャガさんのほうが 「これは私がやったんじゃなく、本当にひとりでにビブーティが出たんだ。嘘じゃないんンだ」 と、サイババの奇跡を真実として力説する羽目になったのです。
(なんとなく笑える話で、こういうところが、サイババの起こして見せる《奇跡》のユニークなところです)
しかしだからと言って、その瞬間からジャガさんのサイババに対する態度が一変したかというと、変わらなかったらしいのです。
彼はその後も自らの良識にかけてサイババを否定しようとしたらしいのですが、その日以来 《奇跡》 は容赦なく続き、ついに彼は陥落し、帰依者となったのです。
(先日、ネットをうろついていたら、ジャガディーサンさんのインタビューを日本語字幕で翻訳し紹介した動画にたどり着きました。その動画は『サイババ体験談』というシリーズもので、どういう方々がアップしているのかは不明ですが、いずれも、極めて興味深い優れたものでした。興味のある方は、アクセスしてみてください。『サイババ動画』で検索すれば探し出せるはずです。ただし、今日改めて探してみたところ、他の人たちのインタビュー動画は探し出せたのですが、ジャガディーサンさんの動画だけ、なぜか探し出せませんでした)
(長くなったので、今回はここで終わります)
ではまた。