殺戮にいたる病



出版社:講談社

我孫子武丸 (著)


小説紹介の初回から物騒なタイトルですよね

“殺戮” だなんて

しかし僕に衝撃を与え

何度も読み返し虜にさせ、しまいには

我孫子武丸さんのファンになる

作品です。

そして

本作は『物騒』なんて

可愛いものではありません。

よく分からないご当地のゆるキャラ

の方がまだ可愛く見えます。



さて、多方面を敵に回したところで

さっそく紹介していきましょうか。



れっつごー!






この れっつごー!の滲み出る平成感

たまらないですよね。






著者は 我孫子武丸 という方です。

ミステリー作家さんですね

なんか聞いた事あるよって方も

いらっしゃるかと

そうなんです↓


『かまいたちの夜』というゲームのシナリオ

を書いた人です




1994年に発売され多機種で80万本

その後1998年にはPlayStationに移植され

45万本。

累計125万本のセールスを記録しています


1994年に発売されたという事で

なんと僕はまだ産まれてないんですよね

これまた衝撃。


こんな凄い数字を叩き出した方の作品

なんですが僕はこの殺戮にいたる病という作品

実は、友人におすすめされて読みました。

今だから言いますね。



なんてものを

紹介してくれたんだよ


すみません、これは良い意味ですよ。


いますよね〜〜

“いい意味”

って言葉をつけたら許されると思ってる人


〇〇君って恋愛対象としては見れないよね

まぁ良い意味なんだけどね(笑)


これって充分殺戮にいt






まぁ過去の事を引きずってても仕方ないんで

続きをご覧下さい!




こちらAmazonの紹介文です。



永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は、蒲生稔!くり返される凌辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで

恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり

とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。



                                    Amazonのサイトより



「えぇ...?猟奇的殺人..?

サイコキラー...?

「良い意味で...?」



引きずってんじゃねェか。




そうなんです、この作品実は


激ヤバグロサイコ小説

なんです。


では何故、こういった作品を紹介したのか

それはですね。

激ヤバグロサイコにも勝る

ストーリー。

そしてなんといっても最後のどんでん返し。


激ヤバグロサイコって語呂気持ちいですよね

なんか墾田永年私財法みたいで




さて小説にもドラマや映画のようにもちろん

色々なジャンルがあります。

青春、ミステリー、ホラー、SF など

その中でのどんでん返しという

手法なんです。


作者は騙してやろうと

あの手この手でミスリードを

蜘蛛の糸のように、伏線を張り巡らせ

僕らを騙してきます。

絶対に騙されるもんか!と思った時には

時すでに遅し。散らばった糸で身動きが取れず

その結末に驚愕することしか出来ません。


僕はそんな彼らを

スパイダーマンって呼んでます。


小説紹介するだけでこんなにも多方面に

敵を作れるってある意味才能ですよね。


もうヴィランですヴィラン

墾田永年私財法ヴィラン


語呂とかいう話じゃないですよね

話戻しましようか。



この作品は“どんでん返しの金字塔”

とも言われている作品でして

各サイトの【どんでん返しランキング】

などの、だいたい表彰台にいます。

つまりメダリストですね。


しかし!

作品だけが表彰台に立っている

訳ではありません。



そう。あらすじにもある通り

この作品の犯人



蒲生稔


彼はどんでん返しの表彰台はおろか

殺人鬼ランキングの表彰台でメダルを食べてます

例のメダルかじりおじさんもびっくりです

炎上確定です

そもそも殺人鬼ランキングなんて

何にランキングつけてんだって話ですけどね


あらすじの通り犯人は既に分かっています。

本書は


犯人である “蒲生稔”


息子が犯人なのではないかと疑う

蒲生稔の母親 “雅子”


蒲生稔を追う元刑事 “樋口”


この三者視点で物語は進んでいきます。

蒲生稔さんかなりラブラブですね


本書はなんとエピローグから始まります。

犯人の蒲生稔が捕まるシーンから始まり本編へ

そしてラストシーンでは冒頭の捕まるシーンに

戻ってくるというなんともトリッキーな

作品です。


いわゆる犯人が既に分かっている

倒叙ミステリーです。


《倒叙ミステリーとは》

物語の出だしで犯人や、犯行の様子などを

既に明かして、犯人目線で進んだりする

作品のこと


※もちろん蒲生稔視点があるので相当グロいです

蒲生稔の心理描写も鮮明に描かれますが

常人には理解出来ないので

読み手によっては体調を崩される方もいます


なので!本当に!!!!

読む時は部屋を明るくして離れて見てね!

ここでも溢れる平成感 良いですね。


まぁ冗談言っていますが

本当にきついシーンもあるので

飛ばして読んで貰っても大丈夫です。

そこまでストーリーには関係しないので。

残虐シーンを全て読み、制覇したあなたは

もう 蒲生稔です。



ここまで熱く紹介していて恐縮ですが

万人におすすめできる作品ではありません。

我孫子武丸さん

気持ち悪い描写が御上手で

なんですけど、犯人を追う描写などが

やけにリアルで読む手が止まらないんですよね



この気持ち悪さ、グロさ、残虐さ

これを乗り越えた先の結末。

貴方は二度この作品を読むことでしょう。

本当に素晴らしい作品です。


二週目からが本当の

『殺戮にいたる病』

なのかも知れません。


恐らく我孫子武丸さん

手首から糸出るでしょうね。


本当に数あるどんでん返しの作品の中でも

衝撃度はピカイチだと思います。

僕も最初読んだとき

なんじゃこりゃ...

松田優作ばりの驚きでした。



あまり深く説明をすると

ネタバレになってしまうので言えませんが

綿密に計算されたとても素晴らしい小説なので

是非、皆さんにも手に取って頂けたら

僕は嬉しいです。






ここまで読んで頂きありがとうございました。