KILLING FIELD 戦場の記憶 第4話 「無名戦士の墓」
GRAVESTONE
幾多の犠牲が刻み込まれたのだろうか
この墓標 訪れる者さえなく忘れられていくのか
忘れはしない 生き残った者の誓いとして
この魂の傷跡として
惨劇の記憶の前で 言葉もなく立ち尽くした
打ちひしがれた想いの中で 俯いた
時間だけが流れていった
犠牲者の日々はとどまることなく 過去へと流れていく
それにどんな意味をあったのか考えるよりも早く
忘れ去られるだけの忌まわしい記憶として
立ち返る者もなく 思い返されることもなく
消えていき 忘れられていくだけなら
俺達は何のために戦ったのだろう 誰のために戦ったのだろう
せめて覚えていたい
俺達の絶望も哀しみも苦しみもすべて
生き残った者のせめてもの哀悼として
捨て去られた犠牲者の憎しみとして
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次回、連続詩小説 KILLING FIELD
第5話 「WAR IS OVER」
そして消えない傷だけが残される。
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