KILLING FIELD 戦場の記憶 第3話 「正義」 | 音楽ライターさんの片手間ブログ

KILLING FIELD 戦場の記憶 第3話 「正義」

JUSTICE


もしあなた方が選ばれし民ならば

どうして私の子供を殺したのだろう

あながたのために生まれてきたわけではなかった

あの子は

私達のために靡く自由と正義に旗は何処に・・・・・


私は友人達を愛している 自分の家族を守りたい

あなた方と同じように

私の名前を知っているのなら 私達の名前を知る気があるのなら

そっとしておいてほしい

憎しみと絶望だけが私達のすべてではない


あなた方の正義から解放してほしい

私はあなた方から自由になりたい

国や民族を選ぶ神をどうして信じられるだろう?

そんな身勝手な神にどうして祝福されたいだろう?

誰のためにあなた方ほ祝福を祈るのか?

憎みあうために? 殺しあうために?


正義の値段を教えて欲しい

真実の値段を教えて欲しい

私達の命に値札を貼り付けているのは誰なのか


ただ大切な人と幸せになりたいだけ

恐怖と銃声のない場所で

神でさえ道具にしてしまう愚かな人という存在


友人達は大切でしょう? 家族を守りたいでしょう?

私達と同じように

ここに来てあなたが誰かを教えてほしい

私の名前を知る気があるのなら・・


あなた方の祈りに私達は絶望する


渇いた風が私の肌から若さを奪っていく

未来は私達に重くのしかかるだろう

あなたの正義は私の名前すら聞こうとしない

あなたの神はあの子の名前を知っていただろうか?


風の音が聞こえる

私は家族のもとへと帰る


あなたの正義は私の名前すら知ろうとしなかった


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次回、連続詩小説 KILLING FIELD

第4話 「無名戦士の墓」 

人が名前を持っていることさえ忘れさせる。

それが戦争の現実。


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(でも休日出勤があると無理なの・・・)


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2001年に書いたんだけど。

あれから何一つ変わってないね。