年末の第九の演奏会ラッシュは、日本だけの特別の現象のようですが、年々盛んになっても衰える事は無いようです。小生もだいぶ体力的には衰えてきましたので、毎年今年限りにしようかと思うのですが、演奏会場が住まいに近いミューザ川崎ですので、ご近所の皆さんが「今年は四枚お願いします」などとあてにされるものでついつい無理をしています。まあ合唱連盟の人も男声の数は少ないし、小生は毎年の常連メンバーということで、歳とともに年々能力が落ちることは承知で目を瞑っていてくれるのでしょうが、来年はほんとに終わりにしようかと思っています。小生に注文される方は、居酒屋の店主夫妻や、トンカツ屋の店主夫妻など、クラシック音楽とはあまり縁が無いような方が多いのですが、最初は殆どが近所に出来た、ミューザ川崎 Symphony Hall に入ってみたい、一度は見てみたい、という気持ちの方が多いのです。ところが、そんなきっかけで1,997人が入る満席の会場で大音響の第九の生演奏を聴くと病み付きになるようなのです。殆どの人が年中行事にしたいと言われます。演奏するのは川崎に4団体以上あるアマチュアの Orchestra と、川崎の合唱連盟に加入しているアマチュア合唱団からの応募者で、うるさい玄人はだしの方からはとてもお褒めの言葉はいただけない程度の演奏ではないかと思いますが、そこは生演奏の熱気がすごく、最近はアマチュア・オケの技術が結構上達している上に独唱者はプロの若手ですから、下手なのは合唱だけです。そこは400人近い人数と助っ人でカバーして歌うのですが、客席からは「おじいちゃーん」などという声援も飛び交い、身びいきもあって誰も下手だなどと思っていないところがアマチュアの演奏会の良いところなのでしょう。特に第四楽章に入り、例のバス・バリトンのソロから合唱になりますと、会場の雰囲気も急に盛り上がります。そしてフィナーレに近くなると演奏のスピードも速くなりものすごい興奮状態になるので、これまで未経験だった人もうまれて始めての大集団の興奮に巻き込まれてしまいます。これがコタエられないのだと思います。かなり年配のご婦人が「良かったね、また来ようね!」と目をキラキラさせて仰ると、これこそ音楽なのだと思います。始めての経験の人ほど盛り上がるようで、クラシックに無関心だった方方が第九ファンに急変身された例は、小生の周辺ではかなりの数になります。これが第九の魅力なのだといつも思います。