退院日 別れ | 卵巣癌と診断されて

卵巣癌と診断されて

2021年6月に卵巣癌と診断。ステージ1C3期。2人の子供(6歳、4歳)を持つ40歳ママです。同じ悩みを持つ方の参考になればと思い、発覚から治療までを記録します。

午前中に荷物を片付け

着替えて迎えを待つ

 

 

たった9日間の入院だったのに

ずいぶん長くいた感じがする

 

 

最初は不安で仕方なかったのに

手術をして、友人もできた

 

 

まさか病室の人と

こんなに仲良くなるとは思ってなかった

 

 

同じ時期に病気と闘い

同じ痛み、不安を分かち合い

共に頑張ろうと約束した

 

 

こんなことじゃなければ

知り合うことができなかった

 

 

今日で退院

当然、別れが寂しいえーん

 

 

涙もろい私は泣いてしまいそうで

出来るだけ平常心を保ち

いつも通りの顔を装っている

 

 

淡々と準備を済ませ

 

 

迎えが来た

お別れのときタラー

 

 

 

看護師さんに挨拶を済ませると

 

 

 

同室の友人達が病棟の入り口まで付き添ってくれた

 

 

 

泣きそうで目が合わせられない

 

 

 

カワチさん

『体は大事にするんだよ』と

 

 

 

『ありがとうございました。

 カワチさんも大事に・・・』

といったところで涙が溢れ出してしまった

 

 

 

『必ず連絡しますね』と伝えて握手した

 

 

 

最後は1人づつハグした

 

 

 

私は根っからの日本人だから

普通はハグなんてしないけど

この時は自然とハグをしてしまった

それだけ大切と思った

 

 

 

病棟の扉が開くと

旦那が立っていた

 

 

 

涙顔の私を見て

『ど、どうしたの??』と

状況が掴めないでいる

 

 

 

『同室の人達がとてもいい人達だった』

 

 

 

『そ、そうなんだ』

 

 

 

涙の別れを終えて感傷的な気分になっている私

状況がつかめず無言の旦那

 

 

 

こんな時はお疲れ様とか、

楽しい入院生活でよかったねとか

言ってほしいのに

気の利いたことが何もいえない旦那もやもや

 

 

エレベーターの中で沈黙が続き

 

 

ふと旦那の顔を見たら

一気に現実が戻ってきた

 

 

エレベーターが開いたら

子供達のママの顔にならなきゃな。