こんにちはさいママです
今回は、昨年12月15日でラジオで放送されました
「出産育児一時金」についてのお話をご紹介したいと思います。
さいママの助産師である岡田美香さんが
育児中のみなさんのお悩みや疑問に応える10分番組です。
FMラジオ87.3MHz
「REDS WAVE つながるさいたま」
13:18頃~ 毎週木曜日(第一週目を除く)
好評放送中!
〈目次〉
1、はじめに
2、国民皆保険制度の仕組み
2-1、保険適用外
2-2、保険が適用される出産
3、出産育児一時金の仕組み
4、出産育児一時金の現状
5、さいごに
1、はじめに
つい先日ですが、政府から出産の手当が50万円になるという発表があったのはご存じでしょうか?
このこともあり、ご相談で出産にかかるお金のお話がよく出ます。
その際、よく「出産一時金」とか、「出産手当一時金」とおっしゃられる方がいらっっしゃるのですが、正しくは「出産育児一時金」と言います。
2、国民皆保険制度の仕組み
日本のみなさんは、国民皆保険制度によって、
勤務先の健康保険や国民健康保険というものに
何かしら入っているかと思います。
この制度があるから、日本中どの病院にかかっても保険診療が適応されるわけですね。
病気やケガなどで受診した場合、
自己負担分と保険給付に分かれていますが、
多くの人は自己負担分が3割で済む形になっています。
しかし、中には保険が効かないことがあります。
2-1、保険適用外
保険が適用されないケースの一つが「正常分娩での出産」です。
異常分娩を除いた出産に関しては、一般的な疾病=『病気』ではないと扱われるため、
保険が使えず、全額自己負担となり自費で支払うことになります。
産院によっては、分娩の予約を取る際に分娩予約金を納めるところもありますが、
これば自己負担ゆえの分娩予約金ということなんですね。
2-2、保険が適用される出産
先ほど、正常分娩の場合は保険適用外になるとお伝えしましたが、
正常分娩以外、つまり、母子の健康状態を害することが予想されるケースや、医療的関与が積極的に行われるケースなどは異常分娩とみなされます。
その一例が緊急帝王切開であり、この場合は保険が適用され、自己負担額も変わってきます。
3、出産育児一時金の仕組み
2-1でお話したように、保険適用外の分娩に対しては全額自己負担になります。
しかし、この自己負担分を軽減する目的としてあるのが「出産育児一時金」であり、
加入している健康保険組合から支給されます(被保険者なのか被保険者の家族なのかにより付加給付などが付く場合もあります)。
出産育児一時金の制度は1944年に創設され、
創設当初は30万円でした。
その後、30万円→35万円→38万円→42万円と増額されてきました。
この中には「産科医療補償制度(*)」の掛け金も含まれています。
*産科医療補償制度
・・出産時に赤ちゃんが脳性麻痺になった場合、お子さんが5歳になるまでに申請することで補償を受けられる制度。
4、出産育児一時金の現状
<公的病院の分娩費用>
一番低い:351,774円(滋賀県)
一番高い:553,021円(東京都)
平均金額:467,000円
(令和3年 厚労省の資料参照)
私が知っているところでは
都内の有名病院であったり、
芸能人が利用するような産院は、
その分娩費用が120万とも聞きます。
これだけ金額にばらつきが出るのは、すべて自費診療になるからなんです。
実際、42万円でも出産できる病院もありますが、残念なことに多くの産院では出産育児一時金だけで分娩費用の全額を賄えないのが現状です。
こうのような背景があり、
今回政府は出産育児一時金の額を大幅にアップするというわけです。
5、さいごに
公的病院の分娩費用の平均が46,7万円なので、
50万円に増額されればそれで賄えるか、自己負担するとしても本当に少ない額で済むことになり嬉しいですよね。
しかし、これまでも出産育児一時金が増額される度に、産院の方も分娩費用が高くなっています。
少子高齢化や人件費高騰などの背景から仕方のない部分もありますが、今回もこのようなイタチごっこにならないといいなと願っています。
編集後記
出産育児一時金や産科医療補償制度については、
母子手帳にも記載されているんです。見たことはありますか?
私が持っている母子手帳には、
冊子の最後の方に費用の手続きなどが掲載してありました。
その他にも、いざという時の相談先なども書かれているんですよね。
育児が始まると、
母子手帳って成長曲線とか予防接種とか、
決まったところのページしか見なくなると思うんです。(←私がそうでした)
だから、落ち着いて見られる時に眺めておくことをおススメします
地域によって多少内容が異なる部分もあるかもしれませんが、
妊娠中の過ごし方や、
産前産後に使える制度・サポートのことだったり、
赤ちゃんのうんちの色の表とか、
誤嚥防止のためのページとか、
役立つ情報が満載ですよ
メモできるページもあったたりするので、
いろいろ活用してみるといいかもしれませんね。
(さいママブログ担当)
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