7月21日放送 「産褥期と産褥熱」 | ようこそ、さいママのブログへ。

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こんにちはむらさき音符さいママですニコ

 

今回は7月21日にラジオで放送されました「産褥期と産褥熱」についての内容をご紹介します。

 

 

 

 

  産褥期と産褥熱

 

みなさんは「産褥期」や「産褥熱」という言葉を聞いたことはございますか?

2つとも同じ「産褥」という漢字が入っているので混合しやすかと思いますが、本当はきちんと定義が存在します。

 

産褥期

子宮ははじめ、身体が妊娠前の元の状態に戻るまでの期間。

産後直後から約8週間までの間を指す。

産褥熱

出産後24時間以降10日以内に2日間以上38℃以上の熱が続くこと。

どちらも「産褥」が付きますが、それぞれ示す期間が異なることがお分かりいただけるかと思います。

 

出産時の痛みは、

・鼻からリンゴを出す痛み

・背中をノコギリでギコギコ切られる痛み

・大事故に遭ったような衝撃が走る

など、ママによって感じ方はさまざまです。

しかし、感じ方は違っても、そんな状態から元も通常な身体へ戻ろうと、産後直後からいろいろ働き始めます。

 

元の状態へ戻るまでの期間が約8週間と言われていますが、その期間は人によって異なります。

その理由は、年齢や出産時の出血量、赤ちゃんの大きさや育児の状況によって、かなり個人差があるからです。

 

産後休暇の期間について、産後8週間は仕事をしてはいけないと法律で決められているわけには、こうしたことがあるからなんですね。

 

 

  産後の発熱

 

産後は、体力がすぐに戻らないことや慣れない育児で体調を崩しやすく、心も身体も回復期のため、免疫力も必然的に落ちるとも言われています。

 

例えば、産後は疲れから風邪をよくひき、熱を出すのが多くなることもあります。

このようなケースは、先ほどの産褥熱の定義(出産後24時間以降10日以内に2日間以上38以上の熱が続くこと)と照らし合わせると、産褥10日以内であれば産褥熱になるし、それ以降であれば産褥熱とは呼ばない、ということになるんですね。

また、発熱が1日だけで翌日には下がった場合も産褥熱には該当しません。

 

みなさんに中には、産褥期の期間の発熱は全て産褥熱だと勘違いされている方もいらっしゃるかもしれませんので、この違いをご理解していただければと思います。

 

 

  産褥熱の原因

 

子宮内膜炎であることが多いです(子宮内膜症とは異なります)。

経腟分娩でも帝王切開でも、出産時になんらかのタイミングで子宮内に細菌が入ってしまい感染し発症します。

悪露が子宮内に長期間留まっていること、または排出されないことで細菌が増殖しやすくなっていることが原因です。

 

 

  産褥熱になりやすい状況

 

・糖尿病の合併症がある

・免疫不全状態である

・感染症の合併がある

・悪露の流出を妨げるような筋腫がある 

前期破水(*)

絨毛じゅうもう膜羊膜炎

・産褥期の長期安静、寝たきり 

・子宮に胎盤が残っているのが続いている状態 など

 

*前期破水

・・・通常の前期破水は陣痛が始まってから起きるものだが、陣痛が始まる前に破水することを前期破水と言う。

 

 

  これからご出産される方へ

 

産後10日以内に発熱したら産褥熱が疑われますので、出産された産院へ問い合わせてください。

 

また、産後1か月頃までは出産した病院の管轄となることが多いので、体調を崩された場合は10日以降であっても産後1か月までは出産した産院の指示を仰ぐのが良いでしょう。

産後1か月以降、風邪のような症状が出た場合は、かかりつけの内科や耳鼻科などの受診をおすすめします。

 

なお、産褥熱の場合、いつも常備している痛み止めのようなお薬は効果がないこともありますので、自分の判断で内服することは避けましょう。

 

現在も新型コロナウイルス感染症がとても流行っている状況が続いていますので、発熱がコロナからなのか風邪からなのかわかりませんので、自己判断せずに受診するようにしましょう。

 

 

 

産後退院した後、お家に帰ると赤ちゃんとの時間が必然的に増えるので、ゆっくり休みたくても難しいことがあるかもしれません。

授乳、おむつ交換、哺乳瓶の洗浄殺菌、吐き戻しやお漏らしの処理など、次から次へとって感じで、特にはじめての育児だと張り切って頑張らなきゃと思いますよね。

ごきょうだいがいるご家庭ですと、上の子は久々に会えるママにべったりで、時には赤ちゃん返りもして、てんやわんやになってしまうこともあるかもしれません。

でも産後、特に産褥期のママは休むこともとっても大事です。

赤ちゃんが寝てるとついスマホを見たり、家事をしようと動きたくなる気持ちもわかりますが、赤ちゃんが寝ている時はママも一緒に休憩しましょう。

細切れの睡眠も大切なんです。

眠れない時は横になって目を閉じて、深呼吸をするだけもいいかもしれませんね。

(さいママブログ担当)