- ほとんどネタバレですのでご注意くださいm(u_u)m
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- 「わたしってさぁ、どこで仕込まれたの?」
- という長女マナ(鈴木杏)の衝撃的な台詞で始まる。
- 母エリコ(小泉今日子)はすらすらと何の躊躇もなくその質問に答える。
- 『何事もつつみ隠さず
- タブーは作らず
- できるだけすべてのことを分かち合う』
- 京橋家でありながら
- 実のところ家族4人それぞれがウソや隠しごとの上に成り立つ危うい家族関係で
- 見ているうちにいつ崩壊するか、これで崩壊かという危機感にかられる。
- すべてがエリコの思い通りに出来上がっている京橋家だが
- 実は家族に虚構を演じさせているだけ。
- エリコの完璧な笑顔の下には
- 母娘関係のトラウマや
- 他人に向けられた毒が隠れている。
- 監督の覚せい剤所持という事件で公開も危ぶまれたこの映画だが
- ケーキフォークで顔をめった刺しにして返り血をあびたり
- 血の雨に打たれるなどの狂気じみた表現は
- そのあたりのぎりぎりの精神状態が生み出したものなのかもと思わずにはいられない。
- 『ばれない嘘は、嘘ではない』とエリコは言うけれど
- エリコは理想主義者で完璧主義者。
- 嘘で塗り固めた「作り物」で完璧な理想の家庭を作り上げている。
しかし訪問者(家庭教師:ソニン)のエリコの虚構を「学芸会」だという言葉によって崩壊する。 - エリコ自身も崩壊するが
- 血の雨に打たれて再生する。
- 「誰も人は血まみれになって泣きながら生まれてくる」という台詞通りに。
そんな - 画面もぐるぐる回ったり
- 心の揺れと重なってカメラも揺れていたり
- 恐ろしい映画なのだけど
- 終盤
- エリコの誕生日の夜、バスに乗り合わせた夫と長女の会話から
- エリコの虚構につきあいながらもエリコを大切に思っていることが確認できてほっとさせられる。
- こんなに嘘を隠した危うい家族でありながら
- いつ崩壊するかもしれない家族ではなく
- 「ママ」の決めた決まり事にしたがっているのはほんとに「ママ」を大切に思っているからだと…
なのにエンドロールの後の、食卓。
空っぽの4人の席。
- エリコの丹精していた花いっぱいの空中庭園とは対照的な一輪だけの白い花。
- 毒を忍ばせたラストショットが単にハッピーエンドで終わらせてくれない印象的なラストとなっている。
- ¥500
- 株式会社レントラックジャパン
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脚本・監督 豊田利晃
出演 小泉今日子 大楠道代 板尾創路 鈴木杏 広田雅裕
ソニン 永作博美 勝地涼 今宿麻美 國村隼 瑛太
原作 角田光代
撮影 藤澤順一
編集 日下部元孝
音楽 ZAK
主題歌 UA 「この坂道の途中で」
2005年作品 114分
日刊スポーツ映画大賞…主演女優賞(小泉今日子)
ブルーリボン賞…主演女優賞(小泉今日子)