それまでの使途の不明瞭な支払いやガソリン代や酒代、慣れないメンバーでの行程にかなりのストレスを感じていた姉の怒りの矛先はついにタブに向けられた。
なぜ自分がタブの不注意(酔っ払って砂地に車を停めて寝入ってしまったのが原因だった)でかかった牽引代まで払わなくてはならないのか、
どうして約束の時間に来なかったのか。
姉のその憤りぶりにそれまで悪びれるそぶりもなかったタブが牽引代を返すと言った。
今は持ち合わせがないのでオアハカに帰ってから返すと。
彼女は彼が初めて見せた反省らしきものに情にほだされ返金を免除してしまうのだった。
しかし、ストレスの原因を排除すべく、この町でタブ達とは別れてバスでオアハカに戻ることを選択した。
バスのチケットを買いたいのでチケット売り場まで送ってほしい旨を伝えるとタブは断れるはずもなく、彼女を乗せて走った。
土曜夜のバスのチケットを買わなければ帰ることができなくなる。
どうしても土曜夜のバスに乗らなくてはならない。
最初のチケット売り場では売り切れで、2軒目でタブは自分が買ってくるからと姉を車に残した。
戻ってきたタブは「土曜夜のチケットだ、250ペソだった」と言う。
加えて「失くすといけないので早くしまうように」と促した。
言われるままに彼女は釣りを受け取り、チケットをしまったのだった。
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