ここで弟子が動く。俺へのキラーパスをくれたのだ。
「この人はものすごい人だよ。身分はあまり明かせないけどとある御曹司で、僕が宇宙一尊敬してる人なんだよ!!車とかも……。」
「いいよいいよそういうのは……」
俺はクールにさえぎる。
31才オールド元・宝塚がかすかに反応したのを見て俺はキラーパスをその女にシュートぶちこむことを決めた。局面は一挙に動き出した。元宝塚28、29、31は金に一番興味があったのだ。
そもそもこなれた女を相手に個室を用意しなかった事。
会のはじまりで弟子が「今日の合コン盛り上がりましょう!」と軽薄にも合コンという言葉を使ってしまったこと。(ここでは合コンではなく食事会だった)入り口で微妙に姫君の心を軽くけがしていた。
はっきり言ってふざけた女共だが目標は社会正義ではない。どうシューティングするかだ。そもそもこのおたかくとまった高貴な顔をいかにきもちいい顔にかえるかが今日の俺の仕事だ。
「全員タクシーで送るから2軒目行こう!!」
俺のなかば強引な口調にもはやさからうものはいなかった。
2次会では彼女らのツボをつきまくった。
男同士が互いにさりげなく金の話をちりばめながら…。ひたすら飲み、飲ます。
ある程度出来上がったので「ちょっと俺この子と焼き鳥屋で盛り上がりたいからお前らちゃんと送ってゆけよ!!」と立ち上がる。
みんな「あれ!?」って顔するが、「今日はちゃんと送り羊になりますから大丈夫!!」とわけわかんないトークで場を制す。有無を言わせない。
唖然としたみんなを尻目に俺はいきつけの渋谷のバーに向かう。
-つづく-