西教寺さんのラジオはすべてが学びですが、#8「通夜・葬儀」は本当に頷くばかりで、ズバッ❕❕と言うてくださってスッとしつつ、今後さらにきちんと伝えていかないと・・・と思った次第です。
中陰という仏事はもともと真宗にはありませんでしたが、通仏教に迎合しつつ七日ごとの仏法聴聞・念仏相続のご縁として営まれてきました。いわゆる七日参り(なのかまいり)です。それにしても初七日という言葉だけ世間にひろく周知されて、お坊さんの側がその意味を伝えきれていないという・・・私も含めて反省ばかりです
今年にはいってから自作の葬儀資料を作り直したことは以前に何かの記事でふれたと思います。
あくまでこれらは真宗(浄土真宗)視点なのと、法衣歴四十数年の浅学な私にとって、ご縁のあった研修会・勉強会などでの『纏め』ですので・・・完璧ではありません。また宗門の法式規範や傾向だけでなく、地域差もある葬送儀礼なので参考程度にどうぞ。
本来あった八つの勤行
当山では②納棺勤行⑦収骨勤行はほぼ無くなってしまい、①臨終⇒③通夜⇒④⑤併せて葬儀式⇒⑥火屋⇒⑧還骨が基本と成りました。しかし、時には③が無かったり①が無かったり⑧が無かったり、ご事情により様々です。
でも、上の表で考え直すと、②と③は本来は逆でした。西教寺さんがおっしゃるように、もともとお通夜が明けてからの納棺だったのです。
故人さまの死をまだうけいれていない状況での最後の看病の一夜、添い寝をしたりするのが通夜、でも冷たくなってらっしゃる・・・有縁の方々が集い、夜伽(よとぎ)としてそれぞれの想い出を持ち寄り、パズルのピースのようなものがあわさり、夜が更けるにつれ故人さまが完結されていく時間でした。
通夜式⇒お通夜
告別式⇒葬儀式
こういった名称には僧侶側がもっとこだわるべきです。通夜は儀式ではありませんから。葬儀もお別れ会ではありませんから。
それと、お通夜とお葬式に差異がなくなり、夜の部・昼の部、みたいになってくると、いずれどちらかが廃れていくかもしれませんね。
あと参列者の服装もごちゃまぜ時代に突入しています・・・もともと喪服を着るのは葬儀における遺族・親族のみでした。
ところが、さいきんの通夜は当たり前のように全員が真っ黒(黒着てないと白い目で見られたり)・・・満中陰法要(四十九日法要)も真っ黒・・・下手をすると一周忌や三回忌とかも真っ黒で、まだお葬式がおわってなかったか?と驚いてしまうことがあります
法事の服装は、平服がよいです。具体的には男性ならば襟付きシャツやジャケット着用だったり、カジュアルでもかまいませんがジーパンや部屋着はさけて、女性は華美すぎるアクセサリー(私個人はOKと思う)ははずしたほうがよいかもしれません。兎に角、真宗門徒はお念珠、加えて、門徒式章の着用があれば、法事に極めて相応しい格好となります
次の資料いきましょう。※イラストは著作権の関係で念のため塗りつぶし。
意外に多い北枕に関する勘違い。ご本尊(阿弥陀如来)を安置してあるほうが西です。実際の方角は関係ありません。
まだまだ多い、六曜(友引や仏滅)を気にする方。これから一緒に仏法をきいて”門徒もの忌み嫌うことを知らず”となれば嬉しいですね。
真宗は位牌を用いませんから無くてなんの問題もありません。用いる場合は、位牌とせず法名を書いた(印刷した)紙を巻く台とすること。←紛らわしいから説明・要。
遺影と法名は左右分け。中央にご本尊。荘厳壇に毒花・棘花は入れない。←さいきん薔薇をよく見かけます
その他、まざまな迷信から離れること、そこからがやっと(仏道の)スタートです。
周辺地域でさいきん流行り出して困っているのは、故人が好きだった食べ物を葬儀社が用意周到に準備してお棺に入れること。
菓子程度ならばアレですが、ビール・ワイン・焼き鳥・お刺身・ステーキ、などなどそれで遺族に寄り添う善いことをしてると勘違いされている・・・あくまで、一部の葬儀社です。
個人的に葬儀社、葬祭業に従事する方々をリスペクトしています。ただ言えるのは、ひと昔前におられた本当のプロの方が少し減りました。
仏教徒ならば、フードロスについても一考すべきかと。故人様がお好きだった食品は棺に入れるのではなく、またあらためてお仏壇の脇などに御供して、おさがりとしていただかれるのが良いと思います。
棺に入れると危険なものもあるので注意が必要です、常識の範囲内で。火葬場の職員様の苦情をきいたことあります。
式中初七日や式中満中陰は、仏事でいうと暴挙です。しかも、ある筋から聞いた話では僧侶のほうから「忙しいから」と申し出る人がいるとのこと葬儀社がすすめる場合は、経費や会場の運用効率にメリットがあるみたいです。
上の八つの勤行表を参照していただくと、最後の⑧還骨勤行をおえて葬送儀礼の完了です。その以後でないと初七日は発生しません。また、そこまでして(まだ荼毘にふしていないのに)無理に初七日をお勤めする必要もありません。
葬儀後のお仏事は、こちらはあくまでスタンバイ状態で、依頼がなければ動くことはありません。
なにか不明な点があれば、なんでも気軽に質問してください。説明の時間は惜しみませんので。
そして、当山は江戸時代の寺請け制度(檀家制度)は早々に捨てているお寺なので、檀家になる必要もありません。
当山は【西光寺門徒会】により護持されています。ご協力くださる方のみ、皆さまのほうからお申し出ください。
そんなこんなの、さいきんのお葬式でした
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西光寺プチ農園/スイカ類の成長
まぁ半分ぐらいは野鳥がお召し上がりになられます(^^;
釋俊彰