火葬場の駐車場看板について | 奏楽山西光寺BLOG

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浄土真宗本願寺派西光寺(奈良県香芝市関屋)は、早期から檀家制を廃止し、現在は門徒会で護持されています
環境問題へのささやかな取り組みとして超小型モビリティを導入
グランドピアノを常設し地域交流を意識した音楽イベントなども企画発信中

あるご門徒から質問がありました❕

この看板について上差し

Q「自宅から歩いてくればよかったんでしょうか?走る人」と。。。

 

枠の錆び具合から考えて、けっこう前からあったのかな?

横を何度も通り過ぎておきながら、言われて初めて気づきましたゲッソリ

 

下矢印下矢印下矢印下矢印下矢印

ご利用各位へ

少しでも長く歩いて見送る事が 生きる者の霊への弔いとなりますので

お見送りの車は 場内へ入らずに 駐車場に止める様にして下さい

香芝市

※原文ママ

上矢印上矢印上矢印上矢印上矢印

 

先ず、『市』名義にて掲げられていることに驚きました。

何の根拠もない野辺送り時代の迷信であることはいうまでもありませんが、

文章中の”生きる者の霊への弔い”については、”亡くなった方右矢印『霊』”という特定の死後観であり、

中国大陸や朝鮮半島からの影響を色濃くうけた【祖霊信仰】からの流れ、そういった影響を受けている宗教や宗派もありますが、香芝市においては極めて少数派という印象です。

 

それで、ここでは宗教観的に少数派か多数派かが問題なのではなくて、

『市』の火葬場は、公的な施設であるということ。←ココ重要❕❕

 

香芝市にある仏教寺院は、浄土宗、浄土真宗(大谷派、本願寺派)、融通念仏宗、高野山真言宗、黄檗宗、などなど。

他宗教でいうと、神道やキリスト教各派、天理教、もしかしたらムスリムやヒンズー・・・多種多様な新々宗教の方々も沢山お住いのはず・・・そして、無宗教の方もおられることでしょう。

 

「ここに自家用車を駐車して、徒歩にて入場ください」と案内したいのであれば、変な言い回しをするのではなく、

 

■自家用車でご来場の皆さまにおかれましては こちらへご駐車くださいますよう ご協力のほど宜しくお願い申しあげます■

香芝市火葬場

 

↑こんな感じのほうが『公共の場』として好ましいのでは?

 

きっとこの看板の文章を考えた方は、自分の足で歩くことに何ら問題がなかったと推測できます。

しかしながら、歩けることは・・・決して当たり前のことではない。

歩きたくても歩けない方が世の中にはたくさんいらっしゃるという事実。

 

火葬場には、両脇を抱えられたり車椅子でお見送りに来られる姿もちらほら。

『少しでも長く歩いて見送ること』右矢印『善行』

・・・とするならば、ウラをかえせばどうなりますか。

迷信というものは、とてつもない差別性をはらんでいるので、あまり安易に取り扱われないほうがよいと思います。

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因みに、仏教は”仏に成るための教え”

真宗では、『霊』や『魂』に対し否定的な立場をとっています。

すくい=無条件の拯濟

亡くなられた方々は、ほとけさまキラキラ

 

釋俊彰真顔