本日の法務では、またまた寂如上人(1651-1725)時代の御文章に出逢わせていただきました。
葛城市のT家です。
これも、花押しはハッキリと確認できますが、
残念ながら奥書きと出版年月日は見当たりません。
長きに渡り日々拝読されてきたのか、手垢にまみれ表紙は擦り切れ、外側全体が白い紙で補修されています。
どちらもF家の寂如上人時代御文章とは、あまりにも違うので最初は偽版かと思いましたが、調べてみると偽版は花押し自体がない物がほとんどらしいので、
どちらも年代が違うだけで本願寺から出版された正規版の御文章である可能性も高いと思います。
いずれにせよ、正規版の御文章はたいへん高価なもので、当時の門徒の生活水準ではなかなか手の届かない物であったらしいです。
なので、一部のなにわあきんどが四分の一ほどの値段で流通させた偽版の売れ行きはよかったらしい。
※西光寺の良如上人(1612-1662)時代の御文章
二帖めから四帖めまでの最終ページになります。
さいきん発見した五帖め最終頁には奥書きと出版年月日があります。
今日はもう一軒・・・関屋のH家には明如上人(1850-1903)時代の御文章がありました。
こちらも奥書きと出版年月日はなく、花押しのみでした。
このお宅には、鏡如上人直筆の書(表装済)もありました、すごいですね。
私は専門家ではないのでここまで。
知友に詳しい人がいるので、また何かでお会いする機会があればたずねてみたいと思っています。
ご門徒で「うちの御文章、仕舞ってある物があるけど・・・かなり古そう。」といった物が有りましたら、また見せてくださいね。
ネット上でみつけた関連いくつか・・・リンクしておきます。
本願寺史料研究所『偽版 御文章の流布について』
http://shiryoken.hongwanji.or.jp/project/report/pdf/syohou_32.pdf
徹底リサーチ(歴代門主花押し集)
http://www.shunju.net/shunju6/md/gobun.html
御文についての一考察(大谷派僧籍者からの考察)
http://book.geocities.jp/htfdw244/ofumi.pdf
釋 俊彰