【西条昇の浅草 映画史コレクション】大正2年の金龍館の創業2周年記念絵葉書2種類 | 西条昇教授の芸能史研究

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エンタメ評論家で江戸川大学マスコミ学科教授の西条昇のエンタメな日々。浅草芸能コレクション、喜劇、ジャニーズ舞台、アイドル、お笑い、昭和レトロ、ブラジリアンダンスのランバダなどなど。

手元にある、大正2年(1913)3月に創業二週年を紀念した浅草・金龍館の興行プログラムの絵葉書2種類。
金龍館は常盤座の隣に明治44年(1911)開場し、同年公開のフランス映画「ジゴマ」が大ヒット。以来、映画会社の福宝堂~同社を含む四社合併で誕生した日活のフラッグシップ館となっていたが、この絵葉書の興行の前月に日活のフラックシップを離れている。
2枚の絵葉書を比べてみると、同じイタリア映画「ライフ」の一場面を描いていながら、デザインやイラストのタッチが微妙に異なっている。
プログラム内容では「臆病なる証人」「スヰツル、リギ高峰の旅行」「慾の皮」「田宮坊太郎」の上映は共通するが、下の物には更に新派悲劇「想夫憐」全八場と記載されており、映画の合間に芝居の実演が行われたようだ。
上の物は3月21日とあるが、下の物には3月とだけ書かれていることから、前週か翌週の物だったのかもしれない。