【西条昇の昭和の女優史研究】若尾文子の魅力とは | 西条昇教授の芸能史研究

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エンタメ評論家で江戸川大学マスコミ学科教授の西条昇のエンタメな日々。浅草芸能コレクション、喜劇、ジャニーズ舞台、アイドル、お笑い、昭和レトロ、ブラジリアンダンスのランバダなどなど。

昭和エロスがテーマのイラストレーターである吉岡里奈さんの個展「人生はお祭りダァ!」には、大女優 若尾文子さんをイメージして描かれたであろう作品が2つあった。
さもありなん。
若尾文子こそ、日本文化の陰影から生まれるエロスの結晶と言うべき存在であり、昭和エロスを象徴するアイコンと言えるだろう。
寅さん映画の大ファンだった僕は6歳の時に「男はつらいよ 純情篇」(1971)でとらやに下宿する別居中の人妻役で出演した若尾文子を初めて観たが、他の寅さんシリーズのマドンナのキャラクターに比べて、その魅力が良く分からなかった。6歳で理解できる筈もないのだが。
30代の半ばを過ぎた頃に、突然、若尾文子の良さが分かって、その出演作品の虜になった。