お寺や神社に行くと、賽銭箱にお金を入れてお参りをする。その時に何か願い事をしたことがある人も多いだろう。

 

 賽銭の「賽」は神仏からいただいた恵みに報いるという意味である。古来は米を神前や仏前に撒く「散米」や、紙に包んで「おひねり」として神前に奉納して神仏への感謝としていた。やがて貨幣経済が発展し、米の代わりにお金を奉納するようになる。

 

 もともと賽銭は箱に入れるのではなく、神仏の前に直接供えられたと考えられている。記録に残る最古の賽銭箱は、一五四〇年に鶴岡八幡宮に置かれたものとされる。

 

 お賽銭は神仏から御利益をいただく為に納めるものではない。そんなことはぜずとも、私達は様々な御利益をいただいている。お賽銭をする時には、日々神仏からいただいている恵みを思い返しながらお参りして欲しい。