十月二十五日、十夜法要・みかえり如来会を勤めました。
ご参詣の皆様にご本尊とみかえり阿弥陀如来にお参りをしていただき、喜びの念仏をお唱えして供養を致しました。
お勤めの後には、『日曜美術館』で放送された文化財の修復にまつわる話を紹介し、
それを踏まえて仏教を受け継ぐということをお話ししました。
文化財の修復は現状維持が原則です。
劣化しにくくなるような処置は施しつつ、時代を経て古びていく姿をそのまま残す。それが文化を受け継ぐことになります。
場合によっては原則を外れ、しっかり修復や保存のために特別な手を加えることもあります。
文化財は人の手によって受け継がれていきます。物だけでなく、それに携わる人の思いも次の時代へ残されていきます。
私達が見聞きする仏教は、お釈迦様が説いた言葉そのままではありません。
二千五百年前のインドから現代の日本に至るまで、多くの人の思いを経て伝わっています。
今の私達にとっては理解しがたい部分であっても、仏様の教えを広め残していきたいという先人たちの思いを可能な限りそのまま受け取り、自分なりに考えてまた次の時代へと手渡す。それが仏教を体得するということになるのだと思います。