金閣寺 夕佳亭 | 京都 de 茶の湯 / 西方庵

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京都・嵐山近くで、四季の移ろいを愛でながら茶の湯を楽しんでいる侘び茶人・ 笹峯宗桓のブログです。400年以上の歴史を持つ鹿児島示現流兵法の門友として、鍛練に励んでもおります。

夕佳亭(せっかてい)は拝観順路に従って金閣の横を通り、小高い丘の上に登ったところにあります。金閣は昭和の時代に焼失して再建されました。また、夕佳亭も明治時代に焼失して再建されたものです。いずれも、古文書等に基づいて忠実に再建されたもので、文化的な価値は失われていないように思います。
夕佳亭は、姫宗和といわれた華やか・雅やかな風情の金森宗和の好と云われます。中には入れませんが、戸や障子が外されており、外から拝見できるようになっています。 
 
屋根は入母屋造に似た寄棟の茅葺で、正面に入口があります。入口を入ったところは土間で、左端に「くど」(かまど)が設けてあります。長い沓脱石があり、竹を挟んだ榑縁から茶室に上がります。
  
室内は三畳で正面に床の間、有名な南天の床柱があります。左手直ぐのところが茶道口(お点前する人が出入りする入口)です。炉は四畳半切で、障子を外して土間と一体にして広く用いたのではないかと思われます。右斜めに清水の舞台のような構造の二畳の上段の間(鳳棲楼)があります。高貴な方々がお茶を飲みながら眺望を楽しまれたのでしょう。
最近は、外国人が非常に多く金閣寺を拝観されます。日本人の方は修学旅行等で拝観された機会がおありとは思いますが、金閣の壮麗さに圧倒されて、夕佳亭にまで目が及ばなかったところもあるのではないかと思います。是非、次にはこの茶室もじっくりとご覧いただきたいと思います。