今回読んだのは、水島広子さんの「怒り」がスーッと消える本」(大和出版)です。

この本すごくいい本だと思います。


水島さんは対人関係療法の精神科医をされている方で、
普段から「人の感情」に向き合うお仕事をされています。


本の帯に「もう、つまらないことでイライラしない!」と
書かれているのですが、そうそう!
そもそもイライラや怒りの原因ってささいなことやつまらないことが多いんですよね。


ATMで前の人の操作が遅いとか、人にちょっとカチンとくることを言われた、とか
彼氏がデートに10分遅刻してきた、とか。
私もちょっとしたことですぐイラっとするタイプなので、
すごい食いついちゃいました。


で、水島先生がおっしゃるには、まずそもそも感情というのは意味のない
感情というのはなくて、全ての感情には意味がある、と。

たとえば「不安」には、危険を回避するための信号的役割があるし、
「悲しみ」には心の傷を癒すプロセス的な役割がある。

では「怒り」はというと、
「心の痛覚」的な役割を担っているとのこと。


自分が何か嫌な目にあったとき、その嫌な原因を取り除くための
サインを送ってくれているのが「怒り」の感情ということになるでしょうか。


後半では具体的にでは、どうしたら「怒り」の感情をやわらげることが
できるのかについて解説しています。

深くうなずいてしまったのは、
「対人ストレスの原因は、役割期待のズレから起きる」という部分。

実はついつい最近、それを強く実感するような出来事がありました。

自分が相手に期待していることと、相手が期待されていると思っていることに
ズレが生じるとそこにはストレスが生じて怒りの感情がわいてくる、と。

わかりやす例で言うと、女性が男性に愚痴を言うとき
相手には「ただ聞いてほしい」という役割を期待しているのに
相手は「解決策を求められている」と勘違いしてアドバイスをしてしまい
喧嘩になるパターン。

カップルの喧嘩の大半はこの「役割期待のズレ」から生じているんでは
ないでしょうかね。

でも水島先生曰く、
「相手を変えることは絶対にできない。だから期待のズレの部分を修正していくしかない。」

愚痴を言うときに、ただ話を聞いてほしいだけなのであれば
最初に「アドバイスがほしいんじゃなくて、ただ聞いて欲しい」と伝えるということですね。


日本人ってつい「言わなくても察して欲しい」という期待を相手に
してしまいがちですが、これはよくないということですね。

疲れて帰ってきたときにだんなさんが家事を手伝ってくれないと
イライラしますが、相手はただ疲れていることに気づいてないだけなのかもしれないので、
「言わなくてもわかって欲しい」という期待を「言ったらやって欲しい」という期待に
自分の中で変換してあげれば何の問題もないわけです。


まあそれでもやってくれないだんなさんは・・・論外ですが。笑

この本を読んで思ったことは、むやみに「怒らないようにしなきゃ・・」
と思い込むことではなく、まずは怒りの感情のプロセスについて冷静に観察する、ということと
結局、自分は自分、相手は相手なのだ、ときちんと領域を分けることなんだな~と感じました。


とっさの「イラっ」はどうしようもなくても、
ずっとイライラしっぱなし、という最悪な状況は自分次第で防げると思いました。

特に女性にはお勧めの書籍です。

読みやすさ ★★★★☆
読後の満足感 ★★★★★
お勧め度 ★★★★☆


「怒り」がスーッと消える本―「対人関係療法」の精神科医が教える/水島 広子

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