広島県尾道市の歯医者さいだ歯科医院の齊田健一です。
2025年問題「団塊の世代全員が75才を迎え、後期高齢者になる」と言われた2025年もまもなく終わろうとしている。そんな折り12月21日の中国新聞1面トップに「潜在ケアマネ12万5000人 4割従事せず 活用へ施策も」と題した記事が掲載されていた。わたしは団塊の世代でありこれからは介護支援を受ける必要が出てくるであろう。その時ケアマネさんがいなければ要介護度も決めてもらえないし、サービスプランも立ててもらえなくなる。大変なことだ。記事では地域により要介護の人のケアプランを造るのがやっとで、要支援の人のプランまで手が回わらないという事案も書かれていた。
ところで私は、平成12年にケアマネの資格を取得した。当時尾道市では医師会のK会長が介護保険の導入に熱心で、何度も講習会などを行い「尾道方式」と呼ばれる流れを作られた。そのせいもあり私は平成12年、広島県が行った2回目の試験を受験し無事合格した。免許の番号は110番台であり、正に先駆者の一団に属していた。当時尾道市歯科医師会ではケアマネの資格を持っているのは私一人であった。今はどうなのか判らないがひょっとしたらやはり私一人かも知れない。
合格後も研修会などに参加したりしていたが、実際問題として「さいだ歯科医院」で一人歯科医師として患者を診療しながらケアマネの仕事はとても片手間に出来る代物では無い。結局ケアマネとしての仕事に従事したことが無く、5年ごとの免許更新もしていない。その為今回の潜在12万5000人の中にはカウントされていない。ただ5年ごとの更新せずに期限が切れたとしても、法定研修を受講すれば免許は回復するとのこと。残念ながら80才を目の前にしてたとえ私が今更ケアマネに復帰してもどれだけ役に立てるか判らない。せいぜい自分が介護認定を受ける時に少し役立つかも知れない。
しかしケアマネの資格を取得したことで、平成12年12月から平成19年3月まで「尾道市介護認定審査委員」として多くの要介護者の認定に携わった。これは良い経験となり、ケアマネとしての資格を役立たせることが出来た。また母親が介護認定を受けるとき母親のケアマネさんと色々話しながらサービスを決めることが出来た。
新聞記事によると私のように期限が切れた人を除き有効な資格を持つ人は全国で計31万1千人でその約4割が従事していない。『ケアマネ従事者は2018年度の約19万人から減少傾向に転じ23年度は18万5千人で、このうち60歳以上が3割を占めた。一方全国の65歳以上の高齢者は増え続け43年には現在と比べ約1割増しの3,953万人に上りピークを迎えると予測される。介護需要が 高まるのは必至である。潜在ケアマネが復職を尻込みする理由として、賃金の低さがあり、ケアマネの24年の月額給与は平均約34万5千円で、全産業平均に比べ約4万円低かった。業務面では本来の仕事を超えた「シャドーワーク」の負担が問題化。ごみ出しや買い物支援など要介護者の世話に追われる人が多い』と書いてあった。
行政はこういう状況を真摯に受け止め、ケアマネ従事者の復職を含めて人材確保に対策をとっていただきたい。来年度予算で介護報酬の見直しなどが行われる様であるが高市総理には是非とも積極的な施策をお願いしたい。

