saisaiさんのブログ
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m-mikage

女性特有のあだめいた印象ではなく、艶やかな着物を纏っている訳でもない。彼女は美しい人だった。立ち姿は凛と美しく、どこか強さを感じさせた。真っ直ぐと前を見詰める瞳は強い意思を持っていて、まるで全てを見透かされそうなきさえした。


その人の所作は非常に滑らかで、美しかった。まるで、天女の様だと思った。



それがあの人を見た最後でした
不安や戒めをそのまま抱えて
渦の中から抜け出すこともなく重々しく、活力に満ちた夜、私は追う術を知らなかった。

今更…義頼を選ぶ事など出来ない…
例え共に生きる道を 選ぼうとも、あれはきっと幸せになれない。
私にとって義頼は大切な友だ。



「…済まんな。」
「何だ、急に。」
「なあ、」
私が消えてもお前は私を憶えていてくれるのだろうか。
「…おい、何だ。言わねばわからんぞ。」
その、ひたすら優しい声に、安堵した。
ああ、この男ならきっと、忘れない。
いつか、戻れる日が訪れたとしても。
きっと、この男なら、受け入れてくれる。
「いや、何でもないよ。」
お前を愛せたら、どんなに幸せだろう。
全てを知る前に、お前に出会えたなら、お前を愛せたのに。




この世の総てを塗り代えるかと思う程に、ただただ鮮烈に、焼き付いた。
檻に捕らわれいた私の全てを、塗り替えた。
少女は捕らわれながらも、獣の如く強く、美しかった。

少女がただ自由に、舞う日を夢見た。自由に成れない私の夢は、いつの日にか妹たる獣の自由と成っていた。




悲しみも、恐れも、痛みも、
全て押さえ付け、
寂しさも、愛しさも、忘れた振りをして


貴方が誰を愛そうとも構わない。

それでも私は、貴方を護る。


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元より生きる世界が違った。
私が生まれたのはさながら地獄の果て。


元より羅刹の道なれば、
せめて。

「私は元より羅刹の道の者。
不浄を背負い生まれた身なら、せめて盾となり果てましょう。」


其方はそれでいいのか?

…なにがだ

はっきり言わせてもらうが、
あんな化け物みたいな奴を、ずっと守り続けてきたお前が、諦めたという言葉は、俺は信じられない。
本当に、尊敬するぞ。
それなのに、



わしが幸せに出来るものなら、死ぬ気でしようともするが、こればかりは、出来ぬのだ。
俺は、あいつを苦しめる。
正直、嫉妬はある。悲しくもある。それで御影が幸せなら、それでも良いと、思える。
側室なら、子を望まれない。
それが幸せなら、それで良いのだ。
あれが、幸せであれば。

俺が出来るのなら、出来たなら。







久しいな。
其方とこうして座るのは。

…そうだな。

(前だけを見詰めながら)
「正直、今でも俺の元に来て欲しいと思っている。
でも、其方が幸せなら、其方が選んだのなら、それでもいいと思っている。


最後に、抱きしめてもいいだろうか。

これ以上、其方を苦しめたくない。
おれが守れたなら、守ってゆきたかった。
今、これを言うのは残酷かもしれないが、
本当に、其方を愛していた。ずっと、共に居たかった。



…幸せになってくれ。願うのはもう、それだけだ。





そうだな。
愛されるのは、今でも怖い。その言葉が真実だと信じるにはかなりの労力がいる。
仕方がない。疑いながら、怯えながら生きてきた


死は、恐ろしくは無い。
ただ、孤独が怖い。


「見ろ、神楽だ。」
「何ですか、神楽って、」
「お前、知らないのか。今、御館様のお気に入りの忍びだ。一之江城の、1000人斬りだ。何でも、御館様が妾に生ませた生粋の武田の者だそうだ…」
「あれ…あの子供が…1000人斬り?」
「おい、止めろ、気付かれるぞ。」

『私がどうした』


私は、武田の闇だった。
闇、即ち暗部。
殺す事を生業とするもの。





永い、永い、夢を見ていた気がする。
自然と、涙が流れた。
自分自身では、無かった。
だが、身も魂も、溶け込んでいた。
確かに、一つだった。
人間に戻っただけだ。
なのに自然と、涙が流れた。
私は魂を一つ、失った。
あやかしを通した世界は酷く残酷で、酷く美しかった。



私はもう、歩けない。
行け。
生き残れ。


凄いな。
あれだけ消沈していた兵共の志気を、一瞬で変えた。




あの姫は、あの夜以来、姿を消した。

消える直前、話していた。

信長様だけは、失えないと。耐えられない と。


あの方が、もう二度と戻ってはこない事位、私でも解っている。


ただひたすら、凛と、美しく。

男は皆、私を奪う。だから奪われぬ為に強くなった。

彼女は、その美しさから、愛でられ、愛され、傷つけられ、
侵され続けてきた。

奪い合いの渦中にはいつも、


お久しぶりです。姉上。
「母上を屠った其方が、血迷ったか


貴方は、斎姫の道を、捨てた。

このまま、赤不浄を背負い続けるつもり?
貴方が滅びるだけならいい。
でも、貴方はもう、人間ではない。

ただ、激しい激情に、生きた。




あの方は、その御位よりも、ずっと穏やかな方だった。





あの方を、失うよりも、マシだ。






ただ、待つことしか出来ない私は、自分の無力さを思い知った。

死んだ男をいつまで追い続けるか。甲斐は、其方が倒したのではない。


命が燃え尽きてゆくのを感じる。
それでも、護りきれるのならば



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「強く、成りたかった。
私が強くなり全ての闇を背負えば、
争いが鎮まると思っていた。
闇に成りたかった。
争いの火種となるのなら
…私は醜く生まれたかったた。」





御影殿は…あの頃には既に、甲斐の真の闇だった。
その証拠が『鵺』だった。
あれは元より、闇を背負うが為に、御影が創ったものだ。
誰もが恐れる剛さと、智を、持っていた。だが、あれは美しすぎた。
皆が闇に手を伸ばす程に。




あの人は時折、酷く遠くを見つめる。



ただひたすら、凛と美しく、
佇まいだけで人を魅了する女だと思った。

面差しを映し出す陰影にすら力を宿し、


それはさながら神との対峙だった。

2009/04/07

ed-roy独白

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