THE BEST OF VAN MORRISON 1990
日曜日の映画は混むのがいやなのでわざわざMOVIX堺まで行きます。
埋立地にあり普通の人は車で行きます。
私は併設の温泉施設の無料バスで来ました。
帰りの南海バスの無料券をもらって10番スクリーンへ。
案の定ガラガラ。
見たのはこれ。
ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演の「パーフェクトデイズ」
好きな監督と言うこともありますが、音楽が私の趣味のど真ん中です。
見たら泣くと書いている人がいたのでタオルを持っていきましたがそんなに泣きませんでした。
でもいまだに余韻を引き摺っています。
レヴューはいいのがいっぱいあるので私は音楽のことを書きます。
平山が「朝日の当たる家」から出勤時に車で流す音楽です。
主人公の平山・・・
この平山と言う名前も含めてすべてが暗示と暗喩。
平山のアパートに押しかけてきた娘は平山を「おじさん」と呼びます。
が、平山からプレゼントされた同じ型のカメラを持っていること、迎えに来た妹に娘を託したあとのすすり泣きなどから、おじさん以上の関係が見て取れます。
キーワードは二コの名です。
平山とニコの関係は微妙ですが、ルーリードやヴェルヴェットのファンでなければまずニコなんて名付けないでしょう。平山が姪の名付け親であると言うより実の父親である方がしっくりくるのです。となると同じ趣味趣向の相性のよい夫婦関係も想像できますが、これを許さないなんからの事情があったのでしょう。
ガールズバーのアヤはパティ・スミスのテープを勝手に持ち帰り、口遊めるほどになっています。
レゲエ調の陽気な「レドンド・ビーチ」。
レドンド・ビーチは有名な観光地ですが、歌詞の内容は、喧嘩したレズビアンのカップルの片割れが自殺死体となって発見されると言うものです。
キンクスのサニーアフタヌーン。
キンキーフリークのバイブルですが、歌詞は相続税をガッポリ取られた男の恨み節。
ヴァン・モリソン。
ブラウン・アイド・ガール。
オリジナルは1967年発表の「ブロウイン・ユア・マインド」
ですが、映画のカセットは1990年の「ベスト・オブ・ヴァン・モリソン」のようです。
調べてみましたが、ちゃんとカセットも販売されていたのですね。
1990年、すでに60年代ロックはクラシックです。
平山はCD時代にもカセットを買って聞いていたのですね。
石川さゆりがスナックで歌う「朝日の当たる家」の日本語バージョン。
ギターを弾く常連客はあがた森魚です。
ルー・リード パーフェクト・デイ
ニーナ・シモン フィーリング・グッド
ルーは麻薬依存の生への謳歌
ニーナは人種差別からの解放を
ともに、最高だ
と歌っています
でもどちらも人生の力強い肯定です。
ああしんど
和歌山線からまわって帰ってきたら疲れてしまいました。
花辛夷ひらききつたる泣き笑ひ
美しく別れて春の骨寒し
春の夢ヴィムヴェンダースロングラン
手の中は尻の下よりあたたかし
春夕焼いつかはいつかつぎはつぎ
おそまつさまでございました。