週刊 昔のバックパッカ―

机の上に封が開いたポテトチップスの袋がある。

入院前は毎週末ポテトチップスを食べながらテレビを見ていた。お菓子の中で一番好きなものと言っていい。入院後は食べようという欲求がわいてこなかった。ポテトチップスだけではない。お菓子などの嗜好品の類いを身体が欲していなかった。

 

先日大学へ本を返しに行った。自転車で片道30分強、リハビリを兼ねた仕事へ行くときも駅まで走っているので、これくらいなら問題はない。ただし、仕事は13時からなので職場で昼食をとる。その後15時まで働き自転車で帰る。大学に行ったのは午前だった。本を返し、そのまま帰宅する。10分くらい走ると急に脚に力が入らなくなった。お年寄りのようによろよろとしか走れない。恐らくカロリーだか、エネルギーだかが切れたのだ。胸にはまだ膿が残っていて、そいつが栄養を横取りしている。そのため、毎食大量にたべているが、朝食で蓄えたエネルギーが切れたようだ。

 

帰ったらポテチを食べるぞ、今までなかった欲求がわいてくる。帰宅したのは11時、昼食が近い。スイカを食べ腹も少し落ち着いた。ポテチは午後に回すことにする。午後15時、小腹も空いてきた。ネットフリクスで見ていた「宇宙兄弟」を一時停止。ポテチの袋を開け一時停止解除。食べる手が止まらない。気がつくとお腹が苦しい。満腹感は後からやってくる。160グラムのビックパックを9割方食べていた。

 

登山家や冒険家は行動食などをポケットに入れて山に登ったりしているらしい。ハードな環境で活動中、体内の栄養が切れ、動けなくなるのを防ぐために定期的に食べる。私も行動食を入れておいた方がいいのかもしれない。冒険家みたいで格好いいし、ポテチの食べ過ぎ予防にもなる。