昨晩、父の葬儀を執り行い、遠い田舎から帰ってきました。

学生時代から関西にいるので父の思い出も少ないのですが、無口な父から聞いた話を書きます。

 

父は国鉄時代、蒸気機関車の運転手(後にディーゼル車)でした。父は昭和天皇が戦後、地方巡幸をされた折り、御召列車の運転しております。助手時代には釜焚き(石炭をくべる)試験でトップの成績を上げたそうなので、技術が優秀だったのでしょう。

 

次に皆さんはご存じないのでしょうが、邦画に「大いなる旅路」という映画があります。私の田舎で真冬に起きた機関車の脱線転覆事故の実話をもとにした作品です。その事故を再現するために山に向かって急勾配の坂へ機関車を引っ張っていったのが父でした。一瞬だけ運転席を映したシーンがあり、それが父の後ろ姿ではなかったかと思います。

 

この作品には三國連太郎さん、高倉健さんが出演しており、撮影の待ち時間、真冬の寒い中、野外で簡易なストーブの上に鉄板を敷き、焼肉を食べていた。その時、三國さんから「運転手さんも一緒にどうかね」を声を掛けられたことを覚えているそうです。

 

私の父の人生の履歴には、このようなことがありました。