違和
世界は違和感にまみれている
が 人々は違和感が嫌いだ
なるべく違和感を感じないで生きようとする
しかし違和感はそれを感じる人による
ある人には違和感でも 別の人には違和感にはならない場合もある
しかし私は違和感を作り出しやすい体質なようで また類は友を呼ぶ方式で同じ体質のモノを寄せ付けてしまうようだ
いつもの電車
いかついタンクトップ着たラガーマンが内股で座っている まさに違和感
80歳位の皺だらけのじい様がやたらツヤツヤしたロン毛のヅラをかぶってる
まさに違和感
美人なOLが取り出したスマホの画面がルパンに撃ち抜かれたようにバキバキ
まさに違和感
全身黒でサングラスを光らせる我が持つほぼバックがわりと言って過言ではないビニール袋から取り出す2Lのペットボトル まさに違和感
俺の横に座る70歳位のおばあちゃんが我の膝をつかんでいる まさに違和感
おばあちゃんはキッと厳しい視線を前にまっすぐに向けながら まるで宇宙船の船長の様な眼差しのまま 私の膝をミサイル発射レバーの様に握っている
かなり強い力で握っている
何故だかしらないが握っている
端から見たら柄の悪い孫と勝気なばあちゃんに見えなくもない
が
まだ握っている
せきばらいをしてみる
ウッホン
まだまだ握っている
膝を揺すってみる
ガッと膝を抑えつけられる
生きがいいのはいいけど、今はおよし!
的に
我そろそろ降りないと、、
ゆっくり立ち上がりかける
ガッと再び膝を抑えつけられる
まだまだもう少し待ちな?的に
ばあちゃんの横顔を見る
曇りない眼差し 力強い皺達 使命感を帯びた眉毛
こんな人に頼られたならいたしかない
おばあちゃんの宿命に我の膝の存在が必要不可欠なのだ ならば付き合おうか
宇宙の果てまで
と
突然電車が安全確認の為に一時停車
と
おばあちゃんの手に物凄い力がこもる
膝小僧が泣き叫ぶ
痛え、、
でばあちゃんがプルプルしだした
電車が動き出す プルプル止まる 膝小僧安堵する 駅に着く ばあちゃんいきなり小銭入れから甘露飴だす 我にくれる
ばあちゃん電車降りる 我降り忘れる
膝ばあちゃんが汗と我の汗でびしょ濡れ
太陽を反射した甘露飴は黄金の秘宝になった
ps
最近自分がガキの頃から感じていた
違和感
の原因が分かってきた
報告できるものかわからないが
大丈夫そうならいつか報告します