短編小説 街影14 | SAGGAのブログ -LIFE IS FULL OF DRAMA-
美術館に入ると
ところ狭しと人々でごったがえしていた
間接照明に照らされたフロアー
壁には大小さまざまなゴヤの作品が展示されていた
占領軍に殺された人々を描いた版画
時代の政治家を風刺するロバの版画
その作品の中で
一枚の大きな絵に目が留まった
長い髪を振り乱す
幼子を頭食う神の絵
わが子を喰らうサトゥルヌス

あれ、、、、
俺はこいつを知っている
この前
映見が食事を作りに俺の家に来た時に
そうだ、、、
あの時
俺がみた夢の中の男
そう思った瞬間
横にいたはずの映見が、、、
続く

