短編小説 街影11 | SAGGAのブログ -LIFE IS FULL OF DRAMA-

短編小説 街影11


そうか、、、、、、、


思い出した、、、



あれは5年前


俺が上野西洋美術館の夜勤警備のバイトをしていた時だった



深夜2時に一度外回りをする事になっていた俺


警備服に身を包み 深夜の美術館を歩く


そして外へ


夏の終わりの空気はまだジメッとしていて


そこら中で鈴虫が鳴いていた



深夜2時



そう


このヘラクレスの銅像の前で、、、、、、、、、、



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鈴虫の声が突然やんだ








、、、、、、、、、、、、、、、、






静寂に包まれる真っ黒な空間



すると



地を這う様な男の声が聞こえてきた




、、、、、、、、、引け、、、、、、、、、



、、、、、、引け、、、、、、、、







ズキン





駄目だ 頭痛がひどくなる


思い出せない



弓矢



弓、、、、、、、、



そうか、、、、



ヘラクレスの弓の向く空に



丁度満月がかかっていたはず



神秘的な光が銅像を照らしていた



すると、、、、、、、



矢のないはずの銅像に


光の矢が現れた



、、、、、、引け、、、、、、、、、




、、、、、、その矢を、、、、、、引け、、、、、、、




、、、、、、、、そして、、、、、、


、、、、、月に向かい、、、、、、、、


、、、、、、、、放て、、、、、、、、、、



ズキン





頭が割れそうになる


映見の心配そうな声が遠くで聞こえる




何か非常に重要な事が この記憶には隠されていると感じた俺は必死に痛みに抗う



光の矢、、、、




銅像の後ろに俺は立った、、、はず、、、、


満月と弓を見上げるように立った



そして月と同じ光を放つ矢を


後ろにそっと引き



手を放した、、、、、、



あたりは無音だった、、、、、


そして一筋の光が


月へ向かって放たれた、、、、


そうだ、、、、そうだ、、、、思い出したぞ、、、、、


そして、、、、



ヘラクレスの背後の地獄の門の淵に光が走り


門の向かって左側にいたアダム


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右側のエヴァ



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それぞれの瞳から涙が流れ出す


門に怯え始めるエヴァ


そして

地を這う様な声が聞こえてきた



、、我を過ぐれば憂ひの都あり、
、、我を過ぐれば永遠の苦患あり、
、、我を過ぐれば滅亡の民あり
、、義は尊きわが造り主を動かし、
、、聖なる威力、
、、比類なき智慧、
、、第一の愛我を造れり
、、永遠の物のほか
、、物として我よりさきに造られしはなし、
、、しかしてわれ永遠に立つ我を過ぐれば憂ひの都あり、



、、、、、、、汝らここに入るもの一切の望みを棄てよ、、、、、、、、



門中を埋め尽くしている苦しんでいる人々が喘ぎだす


門上の考える人が、、 頭を抱え込んだ、、、、


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そして、、、、、、門上三人の裸体が絶叫しだす


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次の瞬間、、、、


つづく