短編小説 街影10
上野美術館入り口で 空に向かい弓を引くヘラクレスの銅像
ズキン
激しい頭痛を覚える
どうしたの?
映見が心配そうに声をかける
そのヘラクレスの背中の後ろには
地獄の門
俺は 過去に ここに来た頃がある
しかし 何故だか いつの事か思い出せない
何故だ
ここに来るの超久しぶりだね
え?
大学生の頃一回来たじゃない
大学生の頃、、、、、
そうか、、 そうだ、、、 俺が日払いのバイトを求めてたどり着いたのが ここの夜勤の仕事
しかし 何故 今の今までその事を忘れていたのか
ズキン ズキン ズキン 激しい頭痛が続く
気が遠のくのを必死に堪えながら 映見の腕にしがみつく
何故 また ここに 来た、、、、、、、、
?? 地を這う様な男の声が聞こえる
どうしたの? やっぱり体調悪いの?
いや、、、大丈夫だ、、、、
映見にはこの声が聞こえないらしい
あーー見て ヘラクレスだよ 筋肉すごいね 恭平もこんぐらいあればなーー それに弓だけなんだね 矢は作るの面倒だったのかな?
、、、、、 空に向かい弓をひくヘラクレス、、、、、、、
矢、、、、、、、
月、、、、、、、 光、、、、、、
満月、、、、、
地獄の門、、、、、、
そうか、、、、、、、 あの日 、、、確か、、、、俺は、、、、、、、
つづく

