ぼぼ
人は 自分の行動は高く評価されたがり その為に己の行動を律する
しかし 自分の損得と関係のない事には無関心で
たとえそれが誰かを傷つける事になったとしても その心は痛まない
梅雨時期の合間を縫って太陽が日向ぼっこしている朝
あいかわらず人々はうつむき ずっと先にある景色よりも
足元のコンクリートを見つめる事に安心感を覚えている朝
世界は今日も忙しい
毎日のように繰り返される戦い
あるものは疲れ果て目をつぶり
あるものはいきりたちながら無駄に性欲を爆発させ
あるものは己の握っている吊革が他人を痛めている事すら気づかない
俺の身長は約177CM
靴はいて180位
まあいいが
丁度低いほうの吊革が頭部にあたる高さだ
電車内
俺の横に立つ
30歳
OL風
やや肥満気味
の女性
よほど本が読みたいらしく
電車が揺れない時は両手で本をしっかり持ち
電車が揺れると その時だけ吊革を握る
そして
バランスが取れると これまた乱暴に吊革を放す
そして吊革は俺の頭部目指してやってくる
最初にそれを食らったのは そう 5分前
満員電車に乗り込むと
俺の本能が告げたのか
なんか嫌な空気を感じた
横に立つ女性
本に集中するあまり周りが見えていない
カン
突然俺の頭に何かがあたった
うずくまる程の痛みではないが
いらっとする痛み
そうなのだ
OLが吊革を変な体制でつかまり そして放すもんだから
吊革が俺の頭に ブランブランとぶつかったのだ、、、
電車がまた揺れる
OL吊革つかむ
はなす
ブランブラン
俺の頭に落ちてくる
俺 やさしく手で吊革を受け止める
俺も本をもってきている
楡さんの本だ
が
さっと 俺の目の前を吊革がまた通っていく
OLはまったく無邪気に本を読んでいる
気になって仕方がない
それにだ、平和な朝の電車で吊革に襲われているひげなど、老人の微笑みをさそう愛嬌たっぷりのボーイだ
さあ、、、
どうやってこの吊革攻撃をとめるかだ、、、、、
OLは悪気は無い し この状況に気づいていない
咳払いをしてみる
ふん
あれ?この人風邪引いてるの?最悪。息とめよ的な顔をしやがった
ちっ
電車が揺れる 吊革COMING 受け止める
何度目だ
しかも止め方まで上手くなってきた
ブランブランの揺れを掌で受け止め、勢いを受け流し さも吊革があんなに暴れていたなど想像だに出来ないくらい 静かに受け止めれる
もはや、犠牲愛だ
サクリファイス
しかし
時間だけがただ無常に過ぎていく
そしてOL の
吊革の放し方がひどすぎる
まるで浮気した旦那のパンツを投げる恐妻のそれだ
シャ
ブランブラン
チャッ
何時来るとも分からない攻撃に怯え
アメリカの攻撃は本当に軍事施設だけを攻撃してるのか 一般人も巻き添えをくっていないか と勘ぐり 目の前に座るオジサンが解放しまくった顔であくびをし、その臭いで素面にもどった
しかし 攻撃は一行にやまない
ならば この吊革を俺が支配すればよいのか?
いや、しかし、俺は既に俺の目の前の吊革を握っていて いまさら横の吊革を握れない
そんな事をすれば とんだ欲張りさんと思われるし OLが私に気があるのかしらん?と思われかねない
だめだ
じゃあこのまま永遠の被害者でい続けるのか
否
それは断じてありえない
と
カン
また、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
頭に、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
当たった、、、、、、、、、、、、、あああああああああああああああああああああああ
き、、れ、、、て、、、し、、、ま、、、、、 わない
朝だし
面倒だし
女の子だし
が
どうすべきか
そもそもこの子のバランスが整えば 吊革なんかいらないはず
混雑しすぎて 足場がわるいのだろう
ならばと 俺は OLの足場を広くするために そこにいるおじさんを無理やりはじき場所を確保
ほら、、これで、、、しっかり立てるはず、、
案の定 足を広く開き バランスを整えるOL
いいぞ
しこふんでくれ 土俵入りだ、、
その分俺の足場が悪くなったが まあいい
さあ どうだ、、、
電車が揺れる
と今度は俺がバランスを崩して吊革につかまろうとした
すると 今まで俺が使っていた吊革を 俺の背後から 子犬くらいの身長の老婆がせしめていった
正確にはひったくられた
その直後
カン
また、、だ、、、
しかし、、、、
OLが吊革を握った姿はみていない
ただ、この中の誰かが同じことをしたのだ、、、、
カン、、、、、
カン
カン
俺は頭に当たる吊革を無視してみた
何も当たってなどいない
が
その涅槃的理論はは空しくも俺の中の闇に喰われた
なるほど。。。。
ナルホドネ。。。。
世界はコロシアイ トイウコトダナ、、、、
ファイナルデッドトレイン、、、、
運命ナノカ ナノダナ、、、
俺の後ろの老婆が 俺の背中を食いちぎりにきたようだ、、
カン、、、、、、、、、、、、