ふり
またしてもフリーメンになった俺
社会の歯車からはずれ
世間に背き
自由というそこの見えない海へ
一人ダイブした
なんの事をいっているのか?
それはご想像におまかせしよう
ただ
自由になっても
抑制されていた時のほうが
好きなことをやるときの楽しさが増していたかな
なんて考え始めると
自由というものも なかなか大変な奴だなと思う
自由人たる俺
どこにいくのも
何をするのも
全て俺の判断にかかっている
その分
責任も 勿論俺にある
自由とは その責任を持って初めて 自由なのだ
責任
よく分からないが世界の人々の肩をこらす魔物
状況や 情勢や ほんの小さな事でその矛先を変える責任
ふと気付くと俺はスタバにいた
スタバが出来てから
いや
あいつがこの日本に輸入されてからというもの
俺と奴の戦いはずっと続いている
終わらないジハード
そう
奴は
マカロン
ピンクだったり、 緑だったり、茶色だったり
いや色なんてどうでもいいのだ
ただ
あの 一見強情っぱりにみえるくせに、押せば サクッと割れてしまう
あの表面の部分
あれを
あそこを
指で
グイっと
したくなる
この衝動を抑えきれずに
到底大人とは思えない行動をとったこともある
シャク
いわば 障子に指をつっこみたくなるあれと一緒だ
むしろ 俺にとっては マカロンが上だ
昔スタバで働いていたという女の友人に聞いた事がある
マカロンの魔力に取り付かれた人間は思ったよりも多いそうだ
指で袋の上から穴をあけられたマカロン
売り物にならなくなったマカロン
売り物を金も払わずに駄目にしてしまうこの最低な行為を
妖艶にたしなめるかの様な あの マカロン
しかし、その女友達によれば、穴の開いたマカロンは店員が持って帰れるから まんざらでも無い と
そうか 店員さんが無料でお菓子をもらえるなんて なんて素敵なんだ!
と一瞬 悪の道に足を踏み入れそうになった俺だが
ふ
ここは どれ
大人のガマン強さを誇示してやろうではないか
コーヒーの香りが 俺の鼻と脳の一部をくすぐる
いい香りを胸いっぱいにすう俺
さて自由人の俺は 何を頼むかもワクワクである
普段はアメリカーノだが、 幸い俺の前には3人ほどが並んでおり
俺にはゆっくりと考える時間があった
そう
奴を見るまでは
ピンク色のルージュの様な 甘い優しい色をしたマカロン
レジ前に奴はだいたいいる
目があってしまった
俺
あ、、、、、、
マカロン
おはよ。 今日も自由なんだね
俺
ああ、、自由に成り立てだがね
マカロン
そうか。まあ私はいつも通りここで 小腹が空いた人々に買われていくのをまってるの、、、
俺
ああ、、、
マカロン
? どうしたの? 様子が変、、
指王
グ、、、グ、、グゥアアアアアアアアーーーーー
マカロン
どうしたの? フリーメン?
指王
なんだ その滑らかな表面は それでいてしっかりとした体をしおって、、、 誘っているのか、、
マカロン
フ、フリーメン? じゃ、、ない、、、、 ま、、、さ、、、か、、、
指王
そのか弱いビニールのパッケージで己を守っているつもりか、、 そんな体をしおって、、 押したら
サクッとなるのか、 プニってなるのか 気になるじゃないか、、、まあ、、、 その感触は知っているがな、、、
マカロン
そんな、、、噂できいたことがあるわ、、、 買いもしないで 私の仲間に指で穴を開ける男がいるって、、 え?
指王
ほれ ちこうよれ、、、 歌え、、踊れ、、、啼け、、、叫べ、、、 今も店員はおつりを渡すのに必死
客はかわいい店員から一期一会の愛を貰うのに必死、、、
マカロン
、、、、、そんな横暴は許さないわ、、 あなたは人の痛みが分からないの? 売り物にならなくなったお菓子たちがどんな目にあうか
指王
店員が、、、ヨロコンデ、、、、食スダロウガ、、、、、、 フエフエフエ、、、イザ、、、、
俺の心が無責任な自由を貪り食おうとした瞬間
うら若き店員
次の方!
とっさの事で何を頼むか全く考えていなかった俺
とっさに アメリカーノと これ、、、、
勢いでよりによってピンクのマカロンを買ってしまった
一瞬店員の目に 「この人見た目ほど悪い人じゃなさそう」 という安堵の色が浮かぶのも俺は見逃さなかった
それが 指王になりかけた俺の心に 最後の大人としての存在意義を思い出させてくれた
マカロン
やっぱり、、、あなたは 優しい人、、、私、、最初から分かってたわ、、、
フリーメン
いや、正直危なかったよ、、 君と あの子のお陰さ、、
購入したコーヒーを飲みながら 雨の降る街へ戻る
冷たい風が俺のほほを撫でる
俺のポケットに 穴の開いていないピンクのマカロンがある
今の俺の大切な宝物だ
人として 生きれた事の証として、、