檻
法律とは 本当に正義を守るために在るのだろうか
もう何年も前の話
そろそろ面白昔話に変ったと思うので ここに書いてみようと思った
まだ俺がニューヨークにいた頃の話
その頃の俺は いろんな女の家に転がり込んでは、問題を起こし
追い出されて また新たな相手を探しては 追い出されて と
一言で言えば 最低な奴だった
ライブから帰ったら 自宅(居候先)の前の路上にMPC、PC、キーボードとその他俺の荷物が散乱しているなんて
よくあった
家主が 俺に怒って まあ 全部捨てられてた
MPCに雪が積もっている様はなかなか、、、 ね
そんな生活だったから 俺に恨みを持っていた人間は何人かいた
そして、このままじゃだめになる って気付かせてくれた奴に出会い
どうにか平穏な日々を過ごしていた
と
ある夏の日
俺は仲間と海へ行く予定だった日
一本の電話がかかってきた
電話に出てみると 口調は優しいが 少し高圧的な白人男性の声が聞こえた
HI,THIS IS NY POLICE STATION, ARE YOU SAGGA?
(こちらはニューヨーク市警だが、サガさんかい?)
何故 警察が俺に電話など、、、
少々勘ぐりながら
YES,,,
と答える俺
すると、相手は自己紹介をし、警察が俺を探しているから、今からどこどこへ出頭しろと、
優しいが有無を言わさぬ口調で話してきた
出頭理由を聞いて俺は唖然とした
その時から 半年以上前に 一緒に住んでいたことのあった女性が 泣きながら警察に駆け込み
俺に暴力を振るわれたと 腕のアザを見せながら、その電話越しの警官に泣きついた と聞かされた
え、、
俺は、その女性とは、それ以降、一度も会っていないし、
それどころか、俺の荷物全てをその女性が自宅へしまいこみ、返してくれなくて困っていた
お互い性格にも 問題があったから、それ以上 その女性に関わるのは お互いに良くないと思い
一度だけ、 その女性の留守電に、 俺の荷物返してくれな って メッセージを入れたことはあった
さすがに必死に作った何百曲のデーター、PC、MPC,キーボード、パスポート、VISA,服 全部盗られたら、、な
が
警察の話では、その日の前日に 俺が その女性の家の乗り込み暴行を働いたって事になっていた
俺は前日はバイトをして、自宅で仲間と作曲でもしていたのに、、
俺はそんなことをしてもいないし、その女性に半年以上あっていない旨を説明するも
”無実ならば出頭して証明しろ、逃げるなら逮捕しに行くから” と一方的に電話を切られる
やむをえなく ブルックリンの言われた住所へ連れと向かった
警察署の入り口で、白人の無愛想な警官が
何かようか?
と聞いてきたので、呼ばれたからきただけだと答えると
少し待つようにと言われ、蒸し暑い廊下で30分くらい待たされた
COME IN(入れ)
と言われたので、警察署の中に入り、角の一室へ案内された
中に入ると 40歳手前くらいのいかにも警察的なショートカットヘアーの白人警官が
白いポロシャツから自慢の肉体をはみ出させていた
HI
彼は やたら爽やかな笑顔で俺に言う
HI
俺は訝しい表情で答える
俺の横にいた連れに 彼は
IS SHE ,,,,(嘘通報した女性の名前)?? と聞いてきたので
ありえないだろう と俺と連れで 思わず顔を見合わせてしまった
それから、しばらく彼が P-DIDDYを昔逮捕しただの、なんだのと武勇伝を聞かされ
俺達は はあ、、と気のない返事を何度も繰り返していた
そして、彼が では本題に入るが と 先ほど電話で聞いた同じ内容を話し出そうとしたので
俺が、その日に、そんな場所にいなかったアリバイを証明してくれる人間を連れてきたし、
俺は確実に何もしていない旨を熱く説明する
すると 彼は OKOK では裁判で証明しなければならないと話し出した
裁判? 一体なんにために? 無実を無実と証明するためにか? 一体この後 どうなるのか?
さっきまで すぐに帰宅できると思っていた俺は なんだか不安になっていた、、
雲行きが確実におかしい、いや 俺は そもそも ここに来てしまってよかったのか?と法律をあまり知らない自分の
軽はずみな判断、行動に不安を覚え始めた
そして、 言われるがままに俺だけ別室へ向かった、、、
続く