ピッコロ
冷たい夜空に冷たい雨
右曲がりな思想が街を我が物顔で伸し歩いた今日
昭和風なスピーカーの鳴りに嫌気とノルタルジーを同時に感じた
人もまばらないつもの電車
俺の横に座る細身ストライプスーツが一人
IPODからクラシカルミュージックが爆音で音漏れ
なんか 視界に入る
奴の指先だ
ピアノを弾いている様に
指先をピロピロする
しかも若干ドヤ顔で周りをチラ見
バッハもMP3の音漏れで聞かす事までは考えてないだろう
背筋ピーン
指先ピロピロ
ドヤ顔
ちょっとホモっぽいヒゲ
俺が本読んでるのに
視界にピロピロが入る
んー
ウザイ
で 横目で奴を見る
ドヤ顔
あ
ダメだ
いらってする
で
DJ MAKINO の
BLUE IN GREEN
聞きながら
俺もピロピロ
ピロピロ勝負
奴が俺を見る
俺 ドヤ顔
奴
下手くそが と本気をだし さらに複雑にピロピロ
俺はゆったりピロピロ
奴 頭まで振りかぶりリアルピロピロ
俺
緩急つけて 間を大事にピロピロ
奴
我慢出来ず 両手でピロピロ
奴が変態に見えだしたとたん
クイットピロピロ
向いのおばさん
今どこかわからずキョロキョロ
どこどこ
斜め向かいのニートがおどおど
誰かのおもひで
ポロポロ
奴はドヤ顔
癖毛がアーティストを気取りだし
俺の肌の黒さが
繊細に霞む
死んだ目した奴がゴソゴソ
ONE