サゲ妻たるもの勝つべし勝つべし

 

「扉はちゃんと閉めてって、何回言えばわかるの?」 

 

妻がリビングから叫ぶ。

 私は素直に「ごめん」と言い、扉を閉めに行く。

 

まあ、普通だ。

 

 

 

 

しかし、その数分後。 

妻が扉を全開にしたままリビングから出ていった。

 

「……扉、空いてるよ」 できるだけ優しく、端的に指摘してみた。

だけど、返ってきたのは想像つきますよね。

 

 

 

「私がいま、どれだけ忙しく立ち回ってるか見てわからない?」

 

「っていうか、あなたは先週、私が体調悪いって言った時に何て言った?」

 

 「『子ども見とくから病院行ったら』じゃないでしょ。自分で判断して動けないの?

助けようと思わないの?そんなので偉そうに言うの?」

 

 

 

先週の、あの「良かれと思ってかけた言葉」が、ここで最凶のカウンターとして飛んでくるわけです。 

 

 

 

扉が開いているという物理的な事実は、 私の「直近のダメ出し」によって、一瞬で塗り替えられる。

私にとっては思いやりだがそんなことは関係ない。

妻にとって詰めるポイントかどうかが全てだ。

 

 

私はそれ以上は何も言わず、扉を静かに閉める。

矛盾を指摘しただけ数倍のダメ出しが返ってくる。

 

 

 

 彼女は「正しい」で考えてない。

 「負けることができない」の思考で会話をする。

 

 

負けられない人と会話をするなら戦いを挑まないこと。

これに尽きる。