ベルナール~セレソンの秘密兵器の課題~ | FUTURE of FOOTBALL

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 イタリア対ブラジル コンフェデレーションズカップ 2013   2013.6.22


 ボールを失った瞬間に、ブラジルが猛然と前からプレスをかけると、ルーズボールは背番号20のもとへ。164cmの小さな青年がドリブルを始めると、ため息が歓声へと変わった。イタリア戦の89分、勝利を決定づける4点目の起点となったのがベルナールである。



 ネイマールやルーカスと同じ92年生まれのベルナールはアトレティコ・ミネイロの下部組織で育ち、18歳でトップチームデビュー果たした。昨シーズン、36試合に出場して11ゴール12アシストを記録し、ロナウジーニョとの絶妙なコンビでチームを全国選手権2位に導き、新人賞も獲得した。今年3月にはリベルタドーレス杯アルセナル戦でハットトリックをやってのけるなどチームのベスト4進出に貢献している。




 左WGを主戦場とするベルナールの武器はスピードとテクニック。高速ドリブルでの仕掛けからラストパスを送ってチャンスを演出し、自らも裏へ飛び出してパスを受けゴールを陥れる。さらに、シュート精度が高く、左右どちらの足でも枠をとらえる技術を持つ。




 現在のブラジル代表の生命線は前線からのチェックであり、ネイマールやフッキも素早い攻守の切り替えからプレスをかけ、時には低い位置まで戻ってきて守備をする。しかし、ベルナールは守備意識の低く、左SBのマルセロとの連携もまだまだ拙い。ベルナール投入後、積極的にオーバーラップするマッジョを起点に、イタリアが攻撃を仕掛けてきたのは偶然ではない。
 また、マークの外す動きなどボールの受け方にも課題を残す。この試合、後ろから激しくチェックを受けるとボールを失ってしまう場面が何度か見られた。




 現在は控えだが、ベルナールがさらに成長すれば、ネイマールをトップ下に固定してゴールに近い位置でプレーさせるというオプションも可能となる。カカやロナウジーニョを押しのけて今回メンバー入りした事実が物語るように、セレソンの秘密兵器の実力はまだまだこんなものではない。