2022年4月にブログに書いたアシロ👇。
2022年10月に800円を割った所から買い下がって購入した。
(現在の保有の有無については後述)
そのアシロについて変わった部分や業績の推移などを踏まえて、今後はどうなるのか考えてみようと思う。
自分用のメモで書いており、口調や説明など、他の方を意識した書き方はしておりませんので、ご了承ください。
投資は自己判断、自己責任でお願いします。
詳しくは「分析ブログについての注意」をご覧ください。
アシロの事業に関しての前回のブログの内容から変更された部分がある。
以前書いた部分は省略するので、前回のブログ👇を参照してほしい。
以前のセグメントはリーガルメディア関連事業とリーガルHR事業の2つのセグメントがあり、リーガルメディア関連事業はリーガルメディアと派生メディアに分かれていた。
現在はリーガルHR事業がHR事業に名称変更され、新たなセグメントとして保険事業が追加されている。
保険事業の追加に関しては、前回のブログ👇でも書いている。
以前のリーガルメディアは「離婚弁護士ナビ」「相続弁護士ナビ」などのサイトだったが、今は「ベンナビ」としてブランド統一されて、「ベンナビ離婚」「ベンナビ相続」などになっているし、保険事業も「ベンナビ弁護士保険」となっている。
他に細かい変更としては、HR事業に主要サービスが増えたこと、派生メディアにビッコレが増えたことである。
ブログを書いた時点では、2022年の会社予想が売上1861百万円、営業利益406百万円であり、四季報予想が売上1900百万円、営業利益450百万円となっていた。
企業分析をした結果、会社予想は控えめであるし、四季報予想を超えてもおかしくないとブログ👇で書いている。
2022年の決算の結果は、売上2202百万円、営業利益484百万円と四季報予想をも大きく超えて着地した。
しかも、大幅に投資額を増やして営業利益484百万円であった。
そのように好調だった理由を探ってみる。
まずは2021年までの業績について、前回のブログ👇に書いているので参照してほしい。
リーガルメディア関連事業のリーガルメディアの成長は順調であった。
前回のブログ👇でも書いたように、アシロには強みがある。
リーガルメディア関連事業の派生メディアはコロナの影響を受けて一時低迷していたが、問い合わせが増加に転じて盛り返しつつあり、HR事業の登録者数は伸びている状態であった。
次に2022年1Qまでの業績は、ブログ👇に書いているので参照してほしい。
リーガルメディア関連事業のリーガルメディアは順調であり、派生メディアはコロナ前の一歩手前まで回復して、HR事業は過去最高となっていた。
2Q以降の業績はこの様になった。
リーガルメディア関連事業のリーガルメディアは決算が進むごとに売上の前年同期比20%前半から31%前半の増加になり、順調そのものである。
派生メディアはコロナ前の最高売上141百万円を上回り、完全に成長軌道に乗った。
HR事業は1Qに記録した過去最高を更新し、2021年には不安定だった売上も安定し、成長し始める土台ができた感じである。
3Qから始まった保険事業はこれからであるが、順調にスタートしたと言えるのではないだろうか。
4Qに大幅に投資額を増やしているので営業利益はどのセグメントも落ち込んではいるが、売上は順調と言える。
前にブログ👇で予想した通りになり、会社予想も四季報予想も大きく超えて2022年は着地した。
今期の会社予想は、当初は売上29.9%増の2861百万円、営業利益83.5%減の80百万円を予想していた。(減益については後述)
2Qまでの累計は売上45.6%増の1486百万円、営業利益60.2%減の120百万円となっている。
2Qまでの決算でリーガルメディア・派生メディアが想定を上回ったこと、2Qからビッコレが連結になったことなどで、売上43.8%増の3167百万円、営業利益83.5%減の80百万円の予想に変更した。
セグメント別に見ると、売上はどの事業も順調に成長している。
リーガルメディアの売上は1Q・2Qとも30%以上増加しており、KPIである掲載枠数も顧客数も順調に伸ばしている。
1顧客あたりの掲載枠数2.5前後を保ちながら順調に顧客数を伸ばしているのが、リーガルメディアの順調な成長に繋がっている。
以前のように解約はあまり出ていないから、掲載枠数2.5前後を保ちながら一直線で顧客数を伸ばしているのだろう。
月次を見ても、毎月安定して前年同月比30%前後増加している。
前にブログ👇で書いたように、一気に顧客を増やすのではなく、顧客満足度を高めながら着実にストックを増やしているのがわかる。
派生メディアの売上は1Qが60%増加、2Qがビッコレも加わって87%増加、HR事業は1Q・2Qとも15%以上増加している理由は、問合せ数や新規登録者が順調に増加しているからである。
派生メディアは良い感じで成長しているし、HR事業は前期に成長の土台をつくって今期は成長を開始した感じである。
保険事業はこれからであるが、安定した売上を計上している。
すべての事業が順調に成長して、会社の想定以上の良い決算で上方修正を出した。
リーガルメディアが順調に成長しているのは確認したが、同業他社はどのように変化しているのか見てみる。
以前にブログで書いたのと同様の比較をするが、重複する部分は省略するので、ブログ👇を参照してほしい。
弁護士ドットコムは停滞を脱して微増させているが、アシロは弁護士ドットコムが停滞中から順調に掲載枠数を増やし、2022年以降はさらに加速している。
弁護士ドットコムの有料登録弁護士数:オレンジの折れ線グラフ、左軸
アシロの掲載枠数:青の折れ線グラフ、右軸
弁護士ドットコムが停滞を脱して微増させたきっかけは、電子書籍サービスの弁護士ドットコムライブラリーを拡大しているからだと思われる。
弁護士ドットコムのサイト訪問数は2019年過ぎから横ばいであることは変わっていない。
弁護士ドットコムのパイをアシロが食って、弁護士ドットコムが伸び悩んでいる間にアシロが支持されて伸ばしている状況は変わっていない様である。
リーガルメディアの成長はすぐに鈍化するような感じではなさそうである。
アシロは2022年の本決算と同時に中期経営計画を発表した。
2025年に売上55億円超、営業利益11億円超を掲げている。
2022年の売上22億円、営業利益4.8億円なので、3年でどちらも2倍以上にする計画である。
セグメントごとの売上はこのように計画しており、売上100億円の早期達成を目指している。
今期の2Qまでの売上を確認して、2023年予想やその後の予想が達成可能か考えてみる。
リーガルメディアは2Qですでに9億円弱であるので、ストック収益であることを考えると今期予想の18億円は十分達成可能である。
今期は30%以上成長していて、すぐに鈍化は考えにくいことを考慮すると、今期の18億円は上振れる可能性が高いし、2024年予想や2025年予想も上振れる可能性は十分にある。
派生メディアは2Qですでに5億円弱であるので、今期予想の8億円は上振れて、今期に2024年予想の11億円も十分可能性ある。
成長軌道に乗ったことを考えると2025年の17億円の達成は十分に可能で、上振れる可能性も十分にある。
HR事業は2Qで6300万円であるが、前期に成長の土台をつくって今期は成長を開始したばかりであるので何とも言えない。
今期の2億円にしても、2024年の4億円、2025年の8億円と成長するかは、今後の決算の内容を見てみないとわからない。
保険事業は2Qで3000万円であり、ストック収益であるので今期の6000万円の達成は十分にあり得る。
その後の成長は今後の決算の内容を見てみないとわからないので、2024年の3億円、2025年の4億円は何とも言えない。
ただ、HR事業と保険事業を合わせても2024年は7億円、2025年は12億円なので、届かない分はリーガルメディアや派生メディアの上振れが埋めてくれる可能性が高い。
今期はすでに売上3167百万円に上方修正し、今期上振れる可能性がかなり高い。
2025年の売上55億円超は現実味のある数字だと思う。
営業利益11億円超は営業利益率20%として出しているが、過去の営業利益率は22%前後だったのが20%としている理由と思われる。
ちなみに、今期と来期は投資期間として利益率は落ちる予定である。
各事業の成長のために投資を実施する。
特に今期はベンナビの認知度向上を目指して広告費を多く使う予定である。
一気に顧客を増やすことはしないのですぐに投資の効果は出ないだろうが、ベンナビの認知度が向上すればベンナビを使う人が増えて、顧客もますます増やすことができ、息の長い成長が期待できる。
2022年までは広告費を大量に投下して成長していた訳ではないので、この広告費の投下を止めればまた利益率を上げることができる。
2021年や2022年の利益の詳細を見てみると、派生メディアやHR事業が不安定な状態や赤字の状態であった。
それをリーガルメディアが引っ張って営業利益率は22%前後としていた。
2023年には派生メディアは成長軌道に入り、HR事業は前期に成長の土台をつくって今期は成長を開始したことを考えると、2025年に営業利益率20%は比較的保守的な数字で十分可能ではないだろうか。
売上55億円超は現実味のある数字で、営業利益率20%も十分可能ならば、中期経営計画の達成は十分に可能性がある。
今期の1Qの決算と同時にビッコレをM&Aすることを発表した。
半期で売上2億円、営業利益7000万円の会社を3億円で買収したので、かなり安く買えたと思う。
ただ、完全に畑違いの業種のM&Aであった。
アシロは今まで弁護士に関連する業種しか扱っていない。
派生メディアの浮気調査や人探しの探偵事務所も弁護士に繋がる業種で、離婚や相続問題になった場合は弁護士を紹介しているし、弁護士保険は将来的に保険会社が登録している弁護士を紹介する目的でM&Aをしていて、シナジー効果がはっきりしている。
一番弁護士から遠い公認会計士の人材紹介に関しても、弁護士の人材紹介のノウハウを活かして+αのような感じでやっている。
それがアシロの強みを活かせるわけでもない、全くノウハウもない、シナジー効果もない金融領域のM&Aをした。
しかも、会社設立して半期しか経っていない会社で、どれだけ会社にノウハウが蓄積されているかは未知数である。
買収の目的やシナジーについてあれこれ書いているが、後付けのことばかりで全く共感できない物ばかりである。
安く買えたのは確かであるが、安ければ何でも良い訳ではない。
会社は売上100億円を早期に達成するために、M&Aを活用することを中経発表の時に言っていた。
ただ、M&Aの方針については何も発表していない。
アシロの強みを活かせたり、シナジー効果があるのなら、M&Aは会社の成長を急速に高めてくれるが、理由も目的もなくあれこれ手を出すと失敗する元である。
赤字まで転落しなくとも、大きな労力をつぎ込んでも利益が少ない事業をいくつも抱えて、成長率を落とすことになってしまう。
ビッコレだけならまだ良いが、今後もM&Aを模索しており、安いからとの理由だけで買い漁りそうである。
そうなれば失敗する可能性も高まり、好調の本業の足を引っ張りかねない。
今後あれこれM&Aをして失敗する前に手放すべきだと思い、頃合いを見て売却することを決意した。(ブログ公開時の現在は保有なし)
2Qの決算と同時に、ビッコレの譲渡契約変更の発表があった。
開示されていた将来数値に実態と異なる状況があり、3億円で買う予定だったビッコレが1.5億円に変更した様である。
簡単に言えば騙されて高く買わされそうになりましたってことだ。
よくわからない・よく調べられない異業種に手を出したから騙されそうになったのでは?って思ってしまう。
売上は半期で2億円から月間2000万円、営業利益は半期で7000万円から月間数百万円となり、買値が半額になったのと同様に業績も半分になっている。
ただ上方修正の内容見ると、ビッコレの売上寄与は9か月で133百万円となっており、これだと月間1500万円程である。
会社側が保守的に見積もっているのか?
ビッコレにはそれぐらいしか期待できないのか?
ちょっと雑ではあるが、派生メディアの売上の変化からビッコレ分の売上を推測してみようと思う。
ビッコレが入ってなかった今期の1Qは60.9%増だったので2Qも同率の増加と考えると156百万円×1.609≒251百万円となり、293百万円-251百万円=42百万円がビッコレ分の売上と推測できる。
月間1400万円の売上になり、会社予想の9か月で133百万円とほぼ一致する。
利益についても推測してみる。
ビッコレ以外の派生メディアが1Qと2Qで同じ利益率だとすると、2Qのビッコレ以外の利益は251百万円×51百万円÷206百万円≒62百万円となり、76百万円-62百万円=14百万円がビッコレ分の利益と推測できる。
月間466万円の利益になり、会社予想の月間数百万円とほぼ一致する。
これが1年続くとすると営業利益は56百万円、税引き後利益は39百万円程になるので、購入額1.5億円は3.8倍と安く買えたのは間違いない。
M&A後に成長させられるかはアシロの手腕によるので、アシロが注入できると言っているSEOノウハウの活用とユーザー集客の内製化でどこまで伸ばせるかである。
以前のブログには書かなかったが、今回続編を書いたので1つ触れておくことにする。
ビッコレや弁護士保険ののれんも入っているが、1138百万円と大部分はリーガルメディアののれんである。
アシロは上場前にVCに事業の大部分を売却しており、買い戻した時にリーガルメディアののれんが発生した。
現在リーガルメディアは絶好調で、すぐに成長が鈍化するのも考えにくいが、もしリーガルメディアが上手くいかない時にはのれんの減損があり、事業の不調とダブルパンチを食らうことになる。
今のところは減損の「げ」の字もないが、頭に入れておいた方が良い。
絶好調のリーガルメディア、良い感じで成長している派生メディア、今期は成長を開始したHR事業、現在は投資中であるが2025年頃には黒字に転換する予想の保健事業。
全てが上手くいっている状態なので急成長している。
中期経営計画の2025年に売上55億円超、営業利益11億円超も上振れが十分期待できるだろう。
もし営業利益11億円だったとしてもEPS112円程になり、8月18日終値828円はPER7.3倍になる。
この成長率ならPER40倍程は期待できるので株価6倍も可能であるし、業績上振れやオーバーシュートも考慮すると株価10倍も可能性がある。
でも「不安があるなら投資しない」信念を貫き、アシロの成長、株価の上昇を、指をくわえて泣く泣く眺めることにする。