「か、風邪ですか・・・・・?」
珍しく休暇をもらった陽のもとに、土方から電話が来ていた
『あぁ。総悟の野郎、風邪しょっ引きやがったんだ』
「そうですか…。わかりました、急いで向かいますね」
『悪ィな、せっかくの休みだってのに』
「いえ、そー君は私の弟みたいな存在ですから」
『ありがとよ・・・・。それと・・・少し問題があるみてーなんだ』
「問題・・・ですか?」
『まぁいい。来てくれたらわかる』
土方はそう言うと電話をきった
いつもはしゃいでる総悟がどうやら風邪をひいたらしい
まるで何時も土方に悪戯をしているから天から与えられた罰のようだ
陽は電話越しにクスリと笑うと黄緑色の着物の上に、深緑の羽織を被った
「銀時、今日は屯所に泊まるかもしれないから戸締りよろしくね」
”屯所に泊まる”という言葉を聞いた瞬間、ソファに寝そべっていた銀時跳ね起きた
「はぁぁぁぁぁぁぁ?!あんなむさっ苦しいところに泊まるなんてお父さん許しませんっ」
「いや、私銀時の子供じゃないし…」
「とにかく!! 泊まるなんて許さねーからな俺は!!」
「でも土方さんが困ってるし…」
陽が土方さんと呟くと、銀時は一層顔をしかめた
「マヨマヨマヨマヨ言うなァァァァァ」
子供のようにじたばたと暴れる銀時に、陽の何かがプツンと音を立てて切れた
・・・・ような気がした
彼女は銀時の前に立つと、ふわふわの天パを掴んだ
「うっさいわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ」
陽の怒鳴り声は1キロ先まで聞こえたそうだ
久しぶりに見る陽のキレ気味に銀時はオドオドとし始める
「は、陽ちゃぁん?」
「あんた何歳!? こっちは仕事なのよ!そー君が風邪ひいてるの!!駄々こねてる暇があったら仕事の1つや2つやりなさいッ!!!!」
「え、ちょ、あ、すんません・・・・・」
すっかりしょげてしまった銀時を陽は一息ついて見下ろした
そして笑みを浮かべ、今度は優しく頭を撫でる
「1日だけだから。ね? おとなしくしてたらお菓子買ってくるからさ」
銀時は笑顔につられて笑顔になると彼女を抱きしめた
「いってらっしゃい」
「いってきます」
歩くこと5分弱、見慣れた屯所の前に土方が立っていた
時計を見ながらそわそわとしている
「土方さん?」
陽が声をかけると、驚いた顔をしてから薄く笑った
「遅かったから厄介事に巻き込まれたかと思ったじゃねーか」
「すみません、銀時がなかなか放してくれなくて」
土方はその情景を思い浮かべたのかクスリと口角を上げる
「そー君の様子はどうですか?」
「あぁ、それが問題なんだけどよ・・・・・・・」
意味深にため息をつく土方を不思議そうに見る陽にはまだ本当のことを知る余地もなかった・・・・