時代 | 館長日記

館長日記

こっそりと…

塾を開いて25年以上経つ。

 

この間に、保護者の考えが変わってきたように思う。

 

始めた頃は中学受験も盛んで、難関大学に入るのもかなり大変だった。保護者の受験熱も高かったように思う。

 

しかし5年ほどして変化が見られた。

 

少子化の波が来て、「1人の子を大事に育てよう」みたいな感じになった。

 

習えるだけ習い事に通わせ、「うちの子はすごいんです」みたいに考える保護者が増えたように思う。

 

さらにゆとり教育・叱らない躾みたいなのがもてはやされるようになり、子供の才能を見誤る保護者を見かけるようになった。

 

また、少子化の波が来ているというのに、聞いたこともないような大学ができ、Fランみたいな言葉も聞くようになった。

 

私の母校はそこそこ進学校だから、「浪人しても東大・京大!」だったのが、浪人するくらいなら現役で行ける所に行くようになった。

 

恩師に聞くと、「保護者が『浪人生の親になりたくない』と思うようになった。浪人生になればそれだけ子育ての時間が長くなる。それなら多少学費が高くても、早く子育てを終えて自由になりたいと思うようになった」とのこと。

 

なるほどね…と思った。

 

このような流れがさらに進み、現代は、子供を持とうとする夫婦が減り、子供を持ったとしても、夫婦が自分たちの時間を優先するようになっているように思う。

 

子育てに時間を使うくらいなら、子供は習い事に入れて、スマホなど欲しいものは買い与え、保護者は共働きをし、生活水準を維持または上げることに力を注ぐようになった。

 

子どもを見ている時間が短いことを負い目に感じる親は少なくないのでは?だから子供の言いなりになる傾向が強くなっている。

 

だから何かしでかしたときに「こんな子供ではなかった」と言ってしまうのでは?

 

この仕事を商売と考えた場合、この時代の変化と共にこちらも変化しなければならない。

 

けど、それが正しい道かと聞かれたら、短いスパンで見れば正しいかもしれないが、私はおかしいと思う。

 

そのうち大変なことになると思う。