サッカー日本代表は3/21と3/26にホームとアウェイそれぞれで北朝鮮と対戦する。開催場所の問題でゴタゴタがあったこの対戦カードだが、一先ずそれは置いておいて日本代表のドイツ勢を触れようと思う。今回の代表で招集されたドイツ勢は全部で5人。板倉滉(ボルシア・メンヘングラードバッハ)、伊藤洋輝(シュトゥットガルト)、田中碧(デュッセルドルフ)、堂安律(フライブルク)、浅野拓磨(ボーフム)だ。それぞれのクラブでのパフォーマンスについて書いていきたい。




まずは板倉だが、そもそもグラードバッハ自体の成績が良くない。今季をセオアネ体制でスタートしたグラードバッハだが、ここまでで良かったことと言えばポカールを勝ち進んでいたことと首位レヴァークーゼンから勝ち点を奪ったことくらいか。グラードバッハには良い選手が揃ってはいると思うのだがイマイチ成績が伸びない。降格圏までにはいかないが熾烈な下位争いに巻き込まれている。それに伴い板倉のパフォーマンスも昨季注目された時期に比べれば良くない。しかも、今季は負傷で長期離脱もあり、アジアカップではギリギリに日本代表に帰ってきたが良いパフォーマンスを残せなかった。クラブに戻っても下位相手にも勝ちきれる試合は少なく、ポカールでは3部のザールブリュッケンに敗れた。正直ドイツに来て初めて我慢の時期がきたのであろう。シャルケやグラードバッハ1年目は栄光の日々を送っていたが、このような時期に良いパフォーマンスを残せるかが良い選手の一つの指標となる。北朝鮮戦はもちろん、攻撃重視のセオアネ体制では難しいであろうがクラブでも成績を残せるように頑張って欲しい。



板倉とは反対に今季ブンデスで好パフォーマンスを残し続けているのが伊藤だ。常勝シュトゥットガルトのレギュラーであり、ドイツ誌kickerでは SB部門ブンデス4位の称号を得た。グリマルド、フリンポン、ヘンリヒスに次ぐ順位といえばその凄さがわかるであろう。今のシュトゥットガルトはレヴァークーゼンとバイエルン以外は手が付けられないほどの強さであり、その中の一人に伊藤がいることは同じ日本人として誇らしい。だが、そんなクラブでの状況とは反対に日本代表での伊藤はよく批判の的となっている。三笘の邪魔をしているという意見を見たり、解説の内田に苦言を呈されたり散々なものだ。正直に言って自分も代表での伊藤はそこまで良くないと思っているので、もうクラブに専念して欲しいくらいだ。良い選手であることは間違いないのだが、日本代表で扱うには森保監督が変わるくらいしないと無理なのかもしれない。



田中碧はここ最近は群を抜いて好調だ。先日公式戦7ゴール目を決めており、代表戦でもお馴染みだが中盤の選手としての得点能力は異常である。アジアカップに選んでおけばという人たちもいるが、田中が調子を上げてきたのはアジアカップ期間中くらいなので田中自身にとっては選ばれなかったことが良い方に転んだ。ここまで残してきた成績により今夏に移籍の幅が広がったり、デュッセルドルフ自体が昇格する可能性が高まったり良いことづくめである。さらにはポカールにも勝ち進んでおり、ベスト4では1部首位のレヴァークーゼンと対戦する。もちろん代表定着のために結果を出して欲しいが、田中がレヴァークーゼン相手にどこまで通用するのか楽しみなのでぜひ代表期間中は怪我のないように気をつけてほしい。



浅野と堂安に関してはほぼ同じ想いがある。はっきり言ってこの二人は舐められすぎだ。浅野はブンデスで6ゴール決めており、先日のバイエルン戦で決めたゴールを知っている方も多いだろう。ボーフムというチームの性質上守備に回ることが多いが、それでもチームトップの得点数を獲っているのは凄いことだ。宇佐美も言っていたが、愚直に守りながらも得点に関わるパワーを出すことは本当に難しい(宇佐美自身はそれができなかったと言っていた)。そんな中でも5大リーグの舞台で得点を重ねている浅野は流石と言わざるおえない。

堂安に関しては先日レヴァークーゼン戦で得点を獲ったものの、今季のG/Aこそ伸びていないため試合を見なければわからない部分があり大衆受けしにくい。しかし、フライブルクの試合を見ればどのくらい堂安が相手の脅威になっているかわかるはずだ。左足のカットインの期待感はギュンターのクロスと並んでとても高い。よくスピード不足だという指摘があるが、堂安の強みは抜ききらなくても出せるため問題ないと思う。ようやく最近ゴールが出始めているため、あとは代表戦で文句なしの結果がほしいところである。