今季はブンデスリーガだけでなくDFBポカールも面白い。


現在ベスト8終了時で残っているチームがレヴァークーゼン、デュッセルドルフ、カイザースラウテルン、ザールブリュッケンの4チーム。

この中で1部チームはなんとレヴァークーゼンのみでデュッセルドルフとカイザースラウテルンは2部、ザールブリュッケンに至っては3部というカテゴリーである。今回は特にジャイアントキリングが起きる大会であった。

そこで、今残っている4チームの23/24DFBポカールのこれまでを振り返っていきたい。



レヴァークーゼン

ラウンド64 テウトニア・オッテンセン(A) 0-8 ○

ラウンド32 ザントハウゼン(A) 2-5 ○

ラウンド16 パーダーボルン(H) 3-1 ○

準々決勝 シュトゥットガルト(H) 3-2 ○

準決勝 デュッセルドルフ(H)


 レヴァークーゼンはラウンド16までは抽選に恵まれた。ラウンド32から1部同士で対戦の可能性があったがラウンド32、ラウンド16と見事に下部カテゴリーのチームを引き当てたからだ。しかし、試合自体はどちらも簡単ではなかった。ザントハウゼン戦は結果的には快勝だが、先制するも追いつかれ、勝ち越しするもまた追いつかれるという苦しい試合展開であった。また、パーダーボルン戦も試合内容は優位であったが終盤に1点差に迫られるという何が起こってもおかしくないような展開に引き込まれてしまった。そして準々決勝、レヴァークーゼンは今大会最大の試練を迎えることになった。事実上の決勝戦と呼ばれたシュトゥットガルト戦である。シュトゥットガルトはアフコンの関係でギラシ不在なものの、試合内容ではレヴァークーゼンに対して主導権を握っていた。ただ、レヴァークーゼンとして幸運であったのはアフコンで早期にブルキナファソとモロッコが敗退したことでタプソバとアドリが戻ってきたことであろう。結果としてアドリが後半途中出場で同点弾を決め、後半90分にターによって逆転弾がもたらされレヴァークーゼンが準決勝へ駒を進めた。

 準決勝ではラインダービー(正確にはそう呼ばないかもしれないが)であるデュッセルドルフをホームに迎える。下部カテゴリーに所属するチームのため守備を固められることが予想される試合だが、ヴィルツを中心としてそれを掻い潜ることができるか注目される試合である。




デュッセルドルフ

ラウンド64 イラーティッセン(A) 1-3 ○

ラウンド32 ウンターハヒンク(A) 3-6 ○

ラウンド16 マクデブルク(A) 1-2 ○

準々決勝 ザンクトパウリ(A) 2-2(PK3-4) ○

準決勝 レヴァークーゼン(A)


日本代表の田中碧、内野やアペルカンプが所属するデュッセルドルフだが、今大会で特筆したいのが未消化である準決勝のレヴァークーゼン戦も含め全てがアウェイでの試合ということだ。カップ戦でのホームの優位を考えればこれは凄いことである。ラウンド16のマクデブルク戦では劇的な逆転勝ち、準決勝のツヴァイテ首位であるザンクトパウリ戦は延長後半ATに追いつかれるという死闘の末にPK勝ちと綱渡りをしながらなんとか勝ち上がってきた。また、このザンクトパウリ戦はその数日前にリーグ戦でも同様のカードが開催されており、その時はザンクトパウリが勝利を収めているためリーグ戦でのリベンジを果たした試合であった。

 ここ最近は田中碧の調子が良く、チーム内でも卓越したパフォーマンスをしている。準決勝では現在ブンデスリーガ首位を独走しているレヴァークーゼン相手だが、次の夏の市場で1部に個人昇格が噂されている田中碧は活躍できるのか注目の試合である。




カイザースラウテルン

ラウンド64 RWコブレンツ(A) 0-5 ○

ラウンド32 FCケルン(H) 3-2 ○

ラウンド16 ニュルンベルク(H) 2-0 ○

準々決勝 ヘルタ・ベルリン(A) 1-3 ○

準決勝 ザールブリュッケン(H)


 カイザースラウテルンは現在リーグでは降格圏ギリギリだが、ポカールではベスト4まで駒を進めてきた。ラウンド32のケルン戦は一時3-0と引き離し、結果的には3-2であったが内容は順当に勝ちと言える試合であった。運動量とカウンターで推していくスタイルがとても光っていた。ただ、カイザースラウテルンに関しては抽選の引きがとても良く感じる。ヘルタ・ベルリンやニュルンベルクは2部でも上位チームではなく、ケルンは今季1部で低調なパフォーマンスでありバウムガルト監督を交代させている。

 そして次の準決勝では3部のザールブリュッケン。ここまで残っている4チームの中では1番影が薄い存在であるが、だからこそこういうチームが決勝に残ったときの不気味さは計り知れない。




ザールブリュッケン

ラウンド64 カールスルーエSC(H) 2-1 ○

ラウンド32 バイエルン(H) 2-1 ○

ラウンド16 フランクフルト(H) 2-0 ○

準々決勝 ボルシア・メンヘングラートバッハ(H) 2-1 ○

準決勝 カイザースラウテルン(A)


 最後にザールブリュッケンは今大会の主役またはダークホースであり、今大会を盛り上げているチームである。ここまでにバイエルン、フランクフルト、ボルシア・メンヘングラートバッハと名だたるチーム達を蹴散らしてきた。勝ち上がっている要因はなんと言ってもそのスタジアム。一見するとコンパクトなスタジアムだが、芝が悪いのか1部チームからするととてもやりづらそうである。そして、そのスタジアムに雨が降ると言うまでもなく魔境となる。実際にバイエルンとボルシア・メンヘングラートバッハは雨により試合延期に追い込まれ、延期した試合日にも雨が降るという始末。本来のパフォーマンスができずに敗退となってしまった。3部でもそこまで飛び抜けたチームではないが、ポカールとなるとその印象が180°変わる。固い守備で最後のところはやらせず、先制されてもチームの雰囲気が落ちることはなく逆転にまで持っていける。そしてバイエルン戦とボルシア・メンヘングラートバッハ戦では試合の最後に勝ち越しゴールを決める勝負強さ。まさに今大会1番のダークホースといえる。

 ここまで勝ち上がってきたザールブリュッケンだが、次の準決勝は懸念要素がある。それは、準決勝ではアウェイ開催になることだ。残っているチームの中では1番勝ちやすいであろうカイザースラウテルンとはいえ、ここまで全試合ホームで戦ってきたザールブリュッケンは勢いそのままに決勝進出できるのか注目したい。





※このブログ内ではカイザースラウテルンのホームで行われると書いたが、Sky Sportsによればザールブリュッケンのホームと書かれている。ポカール公式ではカイザースラウテルンのホームと書かれていたので正式に決定次第内容を修正したいと思う。

(おそらく下部カテゴリーなのでホーム優先権があるかもしれない。)