眼鏡を買おうと思って、999.9とかアランミクリとか…
そう言えば使っていない鼈甲の眼鏡があったことを思い出して机の引き出しを開けてみる。
鼈甲はウミガメの一種タイマイの甲羅を使った加工品いわば民芸品だ。
鼈甲はタイマイの甲羅の鱗板を薄く剥がして得られる貴重なものだ。
色は半透明で、赤みを帯びた黄色に濃褐色の斑点がある。セルフレームや櫛など鼈甲を模したプラスチック製のものをよく目にするはずだ。
久しぶりに鼈甲の眼鏡を手に取ってみると、プラスチック製のフレームとは違った深く柔らかい色合いはまさに鼈甲にしかないものだ。
タイマイは絶滅危惧種CRでワシントン条約で取引を禁じられている。何故環境派の私がそんな絶滅危惧種タイマイの鼈甲フレームを持っているかというと、亡くなった父が使っていた眼鏡を形見分けに持っているからだ。
鼈甲の眼鏡は、象牙の印鑑と同じように新たに作られることはもうないであろう。過去に作られたものを大切に使っていたとしても非難されることはないような気がする。そしてそれは父の形見でもあるのだし…