長崎 平和祈念像 | 三重県の高校教員Nのブログ

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地理歴史・公民科の教諭が、日課のランニングや史跡訪問の様子等をレポート。

 勤務校の修学旅行2日目の午前中は、全体で長崎原爆資料館、原爆落下中心碑、平和公園を見学しました。1945年8月9日の午前11時2分に投下された、現時点で実戦で使用された最後の原子爆弾の関連史跡です。

 原爆資料館の展示で、個人的に最も感じ入ったのは、被爆者へのインタビュー映像でした。被爆した連合国軍の捕虜からの聞き取り映像で、オーストラリア人のものが5つありましたが、そのうちの一つを選択して視聴しました。被爆して、大変な思いをしたにもかかわらず、「より多くの死者を出さないためにも、あの時点での原爆使用は必要だった。」という趣旨のコメントしていました。映像は1990年代後半に撮られたものでしたが、人生の晩年に差し掛かっている人が、何に忖度することなく(おそらく)、自分の辛い経験をそのように総括していることに、様々な意味で非常に感銘を受けました。他の連合国軍捕虜の映像も視聴したかったですが、団体行動ゆえ見学時間に制約があり、できませんでした。

 平和公園内の「平和祈念像」は、原爆投下10年後の1955年に完成した、北村西望氏(1884~1987年)による彫刻作品です。高さが9.7mあります。

 「人種を超越した人間」として描かれているとのことで、東洋人・西洋人の別を感じさせないように制作されていました。今、観ても、とても個性的な作品に思えます。終戦10年目にこの作品を実見した人の受け留めは、いかばかりだったでしょうか。

[写真は、長崎県長崎市の平和祈念像]
(2023.9.28撮影)